中小企業が実践できる社員の勤務定着率を上げる取り組みを紹介


ビジネスの成功において良い人材の確保・定着は重要です。そのため、企業にとって「人」こそ最大の資源といえるでしょう。
また社員の定着率を上げることは、採用コストの削減だけでなく企業のイメージアップ、長期的な事業戦略の推進にもつながります。

そこで今回は、自社の人事・教育制度に悩みを抱えている中小企業の採用人事の方に向けて、社員の定着率を改善するポイントを紹介します。
ここからは中小企業が今すぐ取り組める社員の定着率の改善方法を3つ紹介します。

  1. 定着率を管理する
  2. 若手社員の早期離脱の防止に専念する
  3. 新人育成に徹する

それぞれ詳しく解説します。

定着率を管理する

定着率を改善させるためにまずできることは、「定着率を管理すること」です。いくら効率的な対策を講じるにしても定着率を定量的に把握していなければ、目標が立てられずPDCAサイクルを回すことができません。

そこで人事部が定着率を把握し、経営者も重要なKPIとして意識を向けることが重要です。しかし、定着率100%が決して良いわけではありません。世界で名が通るような大企業でも、文化に適合できない人は一定数出現します。

ましてや、ベンチャー企業や中小企業が次のフェーズに進む際は、組織の変化についていけない人も出てくるでしょう。そのため大量離脱は避けたいものの、あくまで必要な人材を確保する目的で取り組むことを忘れてはなりません。

定着率の管理は、業種別平均離職率を参考にすると良いでしょう。同じ業界の平均離職率に抑えられるように、まずは自社状況をデータから把握することが大切です。

参考:厚生労働省「平成30年雇用動向調査結果の概況」

若手社員の早期離脱の防止に専念する

定着率をアップするために、「若手社員の早期離脱に専念すること」も重要です。

若手社員の早期離脱を防ぐには、とにかく早くフォローを入れることが鍵となります。社員の不安が顕在化した時点で、本人の気持ちが辞職に向けて固まっていく傾向があります。

まずは自社改革に理解を示す先輩社員をメンターとしてアサインし、定期的に面談を組みましょう。社員の小さな不満を打ち明けやすい先輩社員に汲み取ってもらい、火種の段階で察知する仕組みを作ることをおすすめします。

また、先輩メンター社員と若手社員の相性も重要です。インターネットで利用できる性格マッチング診断サービスを利用して、相性の良いメンターをつけてあげるようにしましょう。

新人育成に徹する

最後に、「新人育成に徹すること」も社員の定着率を上げるためには重要です。社員の定着率が高い船井総合研究所では、以下のような人材育成コンテンツが実施されています。

  • 動画による教材の提供
  • 昇格に必要なスキルが一覧になっているスキルマップ
  • 育成計画書
  • 育成カルテ
  • 日報

新人育成は、「社会人としての成否を決める」と言われるほど重要です。新入社員が最初の数ヶ月〜1年間で学んだことが、職務へのモチベーションや辞職防止につながります。

年々増加し話題になっている若手社員の離職率を低減させるためにも、新人育成を徹底させましょう。

参考:採用ファースト経営 中小企業の加速度的成長を可能にする 超攻撃的「人財ファースト経営」の全貌 

社員の定着率UPは会社全体で行うことが大切

今回は、中小企業の採用人事の方に向けて、社員の定着率を上げる取り組みを紹介しました。

社員の定着率アップは採用人事の方だけでなく、社員一人ひとりが当事者意識を持って、会社全体で連携し合いながら取り組むことが大切です。まずは定着率を管理することから始めて、具体的な数字を社内全体で共有しましょう。

ぜひ本記事を参考にして、この機会に人事・教育に関する制度をアップデートしてみてはいかがでしょうか。

コラムを書いたライター紹介

八巻美穂

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プロフィール:98年生まれ、フリーライター/ディレクター
インターン生としてロサンゼルスのIT系コンサルティング会社で2年勤務後、塾講師として学習塾に新卒入社。メンタルダウンを経験し、フリーランスの道に。現在は、ビジネス系のSEOからキャリア系のインタビューまで幅広く執筆中。

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