外国人労働者を採用する前に押さえておきたい「不法就労」とは?


外国人労働者の採用に力を入れる企業が増えた昨今では、「不法就労」というワードを聞く機会も多くなりました。

不法就労は、外国人労働者本人だけでなく、採用した企業にも影響を与えます。不法就労によって大きな被害を被らないためにも、事前に要点を押さえておくことが大切です。

そこでこの記事では、外国籍労働者を採用する前に押さえておくべき「不法就労」について、事業主への影響や不法就労を発見する方法をご紹介します。

不法就労とは?

「不法就労」は、日本で就労する資格を持っていない外国人が日本で働くことを指します。厚生労働省の東京労働局は下記の通り説明しています。

  1. 我が国に不法に入国・上陸したり、在留期間を超えて不法に残留するなどして、正規の在留資格を持たない外国人が行う収入を伴う活動
  2. 正規の在留資格を持っている外国人でも、許可を受けずに、与えられた在留資格以外の収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動

引用:外国人雇用に関するQ&A – 東京労働局

つまり、在留期間や研修期間などの就労が認められない状態で就労している外国人や、在留期間を超えて就労している外国人、上陸の許可なく滞在している外国人などが該当します。このような外国人がいた場合は、不法就労とみなされ「退去強制等」に科せられます。

不法就労の外国人を雇用した事業主への影響

不法就労に関しては、外国人労働者本人だけでなく「雇用主」「あっせん者」にも処罰が科せられます。

引用:不法就労防止に – 法務省

このように、不法就労者であることを知らずに雇用した場合でも、雇用側に過失がある場合は、処罰を受けます。外国籍の人材を採用する際には、慎重に確認する必要があります。

参考:不法就労に当たる外国人を雇い入れないようにお願いします。 – 厚生労働省

不法就労を発見する方法!発見した場合はどうしたら良いのか?

在留カードを所持しているからと言って、そのまま採用を進めて良いわけではありません。中には、偽造された在留カードを所持している外国人労働者もいます。在留カードで確認するべきポイントと、不法就労者を発見した場合の対処法を事前に押さえておきましょう。

不法就労者を発見する方法

不法就労者かどうか見分けるには、「在留カード」の確認が必須です。特別永住権の方を除き、在留カードを所持していないと、原則として就労できないからです。在留カードの真偽判断において、見るべきポイントは以下4点です。

ポイント①

カードを上下方向に傾けた際、「MOJ」の文字の周囲の絵柄がグリーンからピンクに変化するか

ポイント②

顔写真の下のホログラムにある白黒の文字が、見る角度を90度変えた時に反転するか

ポイント③

左端の縦模様の色がグリーンからピンクに変化するか

ポイント④

暗い場所でカードの表面から強い光を当てて確認した際、透かし文字を確認できるか

また出入国在留管理庁により「在留カード等読取アプリケーション」が無料で配布されています。このアプリを使用すると、読み取った情報と、券面に記載された情報を見比べることができます。偽造かどうかすぐに確認可能なため、ダウンロードをおすすめします。

参考:不法就労防止に – 法務省

不法就労者を発見した場合

不法就労者を発見した場合は、「地方入国管理局」へ通報したり出頭を促すよう連絡しましょう。

参考:外国人を雇用する事業主の皆様へ – 厚生労働省

不法就労者の採用を事前に防ぐために

今回の記事では、外国人労働者を採用する前に押さえておきたい「不法就労」についてご紹介しました。
「知らなかった」では済まされない不法就労。外国人労働者を採用する際は、不法就労に関する知識を身につけたり、在留カードの確認項目を押さえたりして、事前に準備を整えておくことが大切です。

コラムを書いたライター紹介

八巻美穂

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プロフィール:98年生まれ、フリーライター/ディレクター
インターン生としてロサンゼルスのIT系コンサルティング会社で2年勤務後、塾講師として学習塾に新卒入社。メンタルダウンを経験し、フリーランスの道に。現在は、ビジネス系のSEOからキャリア系のインタビューまで幅広く執筆中。

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