2025年3月求人市場動向


ウマい人事編集長より、中途採用市場における企業側、求職者側の動き、それぞれの観点から最新の求人市況感をお届けいたします!

求職者1人ひとりに対する細やかな対応に注力を

厚生労働省が令和7年1月末に発表した『一般職業紹介状況(令和6年12月分及び令和6年分)について』によると、令和6年12月の有効求人倍率は1.25倍であり、前月と同水準でした。また新規求人倍率は2.26倍であり、前月に比べて0.01ポイント上昇しています。

引用:厚生労働省『一般職業紹介状況(令和6年12月分及び令和6年分)について』

例年3月の転職市場は、2月までの活況から一転し、落ち着きを戻します。
企業の採用意欲は、新年度の準備に向けて3月末をめどに、ピークアウトするでしょう。
また、内定を獲得し、転職活動が一段落する求職者も増えるため、求職者の動きも鈍化すると考えられます。

採用目標を達成できた企業は、次年度に向けて採用活動の振り返りを行いましょう。
一方、引き続き採用活動に取り組む企業は、より厳しい採用環境になることを考慮し、現状に見合った採用戦略の再構築や採用課題の改善に取り組むことが大切です。

<企業の動き>

採用目標の再確認と、選考プロセスの見直しが鍵

3月は多くの企業が2月までの採用活動の進捗状況を踏まえ、より積極的かつ戦略的な採用活動を展開することが予想されます。特に、内定辞退者の発生や母集団形成に悩む企業は、採用手法の見直しやターゲット層の拡大など、柔軟な対応を迫られるでしょう。

株式会社マイナビが公表している『2024年3月度 正社員の求人件数・応募数推移レポート』によると、2024年3月の応募数は、同年2月と比較して減少しています。2025年も同様の傾向になることが予想されるため、企業はより厳しい採用環境に直面することを踏まえた採用戦略の立案が必須となります。

引用:株式会社マイナビ『2024年3月度 正社員の求人件数・応募数推移レポート』

具体的なアクションプランとしては、2月までの採用活動の成果を振り返り、実現可能な目標値を再設定する、応募数だけでなく選考通過率や内定承諾率など質を重視した指標にシフトする等が挙げられます。

<求職者の動き>

内定者には丁寧なフォローを、求職者には心理状態を理解したきめ細やかな対応を

3月は、多くの求職者が転職先を決め入社準備を始める時期でもあります。企業は、新年度の準備にリソースを割かれがちですが、内定者の入社意欲を高め、確実に入社してもらうためにも、丁寧なフォローアップを意識しましょう。

一方で、転職活動を継続している求職者は、先述の通り焦燥感や不安を募らせている可能性があります。「早く転職先を決めなければ」という心理状態に陥る可能性もあり、内定を獲得した場合、妥協して早々に内定を承諾してしまうケースも想定されます。
せっかく応募に至っても応募から内定までの期間が長引いてしまうと、企業への興味が薄れたり他の企業からの内定を承諾したりする懸念があります。そのため企業は、可能な限り選考期間の短縮に努めることを意識しましょう。 

また、選考では求職者の不安に寄り添った丁寧なコミュニケーションを心掛けましょう。選考過程においては、スピーディーな対応に加え、選考状況や結果をこまめにフィードバックすることも意識してみてください。

転職活動の不安を和らげ、企業に対するエンゲージメントを高めることで、他企業から先に内定が出たとしても自社への入社意欲を維持し、内定承諾まで求職者を繋ぎ留めることができるでしょう。

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