新入社員の教育を成功させるコツとは?現場で活かせる具体例も紹介


23年卒の内々定率はすでに8割を超えているといわれています 。そのため、新人社員を迎えるにあたり社内制度の構築や見直しを進めている人事担当者も多いでしょう。
しかし、実際には「新入社員をどう教育すればいいのか」と今から頭を悩ませている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
(参照元:https://resemom.jp/article/2022/09/08/68588.html

そこで今回は、新入社員の教育を成功させるコツを解説していきます。また、現場で活かせる事例も合わせてご紹介しますので、ぜひご参考ください。

新入社員教育を成功させるコツ

新入社員の教育を成功させるコツとして、以下の3つが挙げられます。

仕事の意義や目的を理解してもらう

実際の現場では、新入社員に対してOJTで仕事の手順だけを教えるケースもあります。しかし、このような教育では仕事の意義がわかりづらく、新入社員のモチベーションが低下してしまいます。また目の前の仕事の手順だけを教えた場合、仕事の全体像がわからなくなるため、言われたことしかこなせず主体性のない人材になってしまうおそれもあります。

そのため、新入社員の教育では仕事の手順だけでなく仕事の全体像から経営理念、将来のビジョンなども含めて指導し、仕事の意義や目的を理解してもらうことが大切です。

教育プログラムを制作

新入社員の教育では、あらかじめ教育プログラムを作成しておくとよいでしょう。教育プログラムがなければ指導が場当たり的な内容になり、効果的な育成が行えなくなるためです。

教育プログラムは、新入社員に「こうなってほしい」という目標とスケジュールを具体的に策定することが大切です。必要とする人物像が明確になっていれば、そこから逆算して身に付けるべきスキルや知識がわかります。
また、教育の方法についても検討する必要があります。たとえば、OJTは実践を通してスキルを身に着けられますが、教育係の負担が大きいというデメリットもあります。そのため、OJTだけでなく外部講師を招いたマナー講座や座学なども教育プログラムに組み込んでいくことをおすすめします

新入社員だけでなく教育係もサポートする

教育といえば新入社員にばかり目が行ってしまうものですが、教育役の社員を手厚くサポートすることも大切です。

新入社員の教育には、想像以上のストレスがかかります。教育係に任命された社員も「新人を一人前にさせないといけない」「なぜ成長しないんだ」などという思いが生まれてしまい、プレッシャーがかかることもあります。さらに、通常業務が圧迫されてしまい多忙になってしまう傾向があります。そのため、経営陣やマネージャー側から教育係が悩みを相談できる場を設ける、ヒアリングとすり合わせを行い業務整理するといった対策を行うことが重要でしょう。

新入社員教育の具体例

新入社員の教育のお手本ともいえる事例を2つご紹介します。

全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)

全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)は、都道府県ごとの旅行組合の中央連合体として1958年に設立された団体です。

全旅連では、日本一の宿泊施設を決定する「旅館甲子園」というコンテストを実施しています。旅館甲子園は、各宿泊施設のスタッフが経営方針や将来のビジョン、スタッフ教育や地域貢献などについてプレゼンし、厳正な審査のもとで日本一の宿泊施設を選出するコンテストです。

スタッフたちが主体性を持って自社の取り組みを発信し合うことで、相互に学び合い、スキルを高め合うという成長につながっています。なかには、旅館甲子園に出場した先輩経営者の施設に、別の宿泊施設がスタッフを預けて研修を受けるといった横のつながりも生まれています。

引用元:
産労総合研究所 – 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会
https://www.e-sanro.net/jirei/freshman/e2001-210.html

ヤマハ

楽器や音響製品からゴルフ用品まで幅広い分野を扱うヤマハでは、2014年に企業理念体系を再整理した「ヤマハフィロソフィー」を制定しました。このヤマハフィロソフィーを体現する人材を育てるために、新入社員研修も大きく見直しています。

ヤマハフィロソフィーを制定するまでは、新入社員に研修の目的や意義が伝わりにくいという課題がありました。そこで、年次ごとのゴールを明確にし、その達成に必要な能力要件を具体的に定めました。必要な能力を可視化したことで、それまでは知識を詰め込み過ぎていた研修プログラムも取捨選択が可能となり、スキルや態度もバランスよく身に付けられるプログラムが実現しました。

また、座学の次に工場実習を行うなど、短期間でインプットとアウトプットを繰り返す教育スタイルに切り替えることで、新入社員が研修の目的を理解しやすくなりました。

引用元:
産労総合研究所 – ヤマハ
https://www.e-sanro.net/jirei/freshman/e1909-200.html

新入社員の教育では目的や意義を共有することが肝要

新入社員の教育を成功させるコツと具体例をご紹介しました。新入社員の教育では、ゴールを明確にすることに加え、研修の目的や意義を新入社員と共有することが大切になります。

目的を理解してもらえば、新入社員にとっても腹落ちしやすい研修となり、単なる知識やスキルの詰め込みではない教育が実現するでしょう。

本記事でご紹介した内容を参考に、自社における研修制度の構築にお役立ていただけますと光栄です。

コラムを書いたライター紹介

サカモトケンタ

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フリーランスWebライター/Webディレクター
Webライターとしては記事執筆のほか採用サイトなどのライティング、WebディレクターとしてはHPやLPの制作を行っています。
マーダーミステリー・TRPGにハマっています。

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