直前でも間に合う!28卒向けサマーインターンで学生の志望度を高めるプログラム設計


新卒採用の早期化が進むなか、サマーインターンは学生との最初の接点であると同時に、採用成功を左右する重要なイベントとなりつつあります。特に近年は、サマーインターンへの参加が本選考への応募に繋がるケースも増えており、多くの企業が夏の時点で優秀な学生との接点づくりに力を入れています。

一方で、学生も複数の企業のインターンに参加することが一般的になりました。短期間で複数のインターンに参加する学生も珍しくなく、参加しただけでは学生の記憶に残りにくいのが実情です。
そこで本記事では、近年のサマーインターンのトレンドを踏まえながら、学生満足度を高めるコンテンツの特徴や秋以降の採用選考へ繋げるためのポイントなどについて解説します。

新卒サマーインターンのトレンド

ここでは、新卒サマーインターンにおけるトレンドを紹介します。

採用直結型の拡大

近年、サマーインターンでの評価をその後の選考に反映する採用直結型インターンを導入する企業が増えています。

株式会社学情の調査によると、2027年卒採用においてインターンシップ等からの早期選考を実施した企業は全体の50.4%と過半数を占めています。さらに、「参加者は通常選考で優遇」と回答した企業を合わせると、実に7割もの企業が採用選考にインターンシップを結び付けています。

引用:株式会社学情

学生もインターンへの参加が早期選考に繋がることを理解しており、積極的にインターンに参加する傾向が強まっています。

「1Day」から「数Days・実務型」へのシフト

サマーインターンの内容にも変化が見られます。これまでは、会社説明やグループワークを中心とした1Dayインターンが主流でした。しかし近年は、2〜5日間程度の実務型インターンや5日間以上の長期インターンを実施する企業が増えています。

株式会社学情が実施した調査では、2027年卒採用において「5日間以上」の採用と連携可能なインターンシップを実施する企業が18.9%、実施を検討している企業が27.8%と、合計で46.7%もの企業が長期・実務型インターンシップに前向きな姿勢を示しています。

引用:株式会社学情

実務型インターンシップは、学生にとって企業との相性や業務への適性を確かめられるメリットがあります。また、企業にとっても、学生の潜在能力や資質をより深く見極める機会となります。

もちろん、すべての企業が長期インターンを実施できるわけではありません。業務上の守秘義務や受け入れ体制の問題から、短期間での開催を選択する企業も少なくありません。しかし、1Dayであっても実務を疑似体験できるワークや、社員とのディスカッションを取り入れることで学生の記憶への定着度を高めることは十分可能です。

重要なのは、開催日数ではなく「学生が働くイメージを持てるか」という視点です。単なる会社説明ではなく、自社ならではの業務や社員との関わりを体験できるプログラムを設計することで、学生の記憶に残るインターンを実現できるでしょう。

AI活用の本格化

AIの普及は、新卒採用の現場にも大きな変化をもたらしています。企業側では、エントリーシートの分析や面接評価の補助、学生とのコミュニケーション支援など、採用業務の効率化を目的としたAI導入の動きが広がっています。一方で、学生側も自己分析やエントリーシートの作成、企業研究などにAIを活用することが一般的になりつつあります。

レバテック株式会社が公表した「レバテックIT人材白書2025」によると、採用活動にAIを導入している企業の割合は20.6%であり、今後導入を検討している企業は36.3%に上ります。両者を合わせると、実に56.9%の企業がAI採用に対して前向きであることが分かり、採用活動におけるAI活用の広がりが明確に見て取れます。

引用:レバテック株式会社「レバテックIT人材白書2025」

また、株式会社マイナビが実施した「マイナビ 2027年卒 大学生キャリア意向調査4月<就活生のAI利用について>」では、就職活動でAIを利用したことがある学生は84.9%に達しており、多くの学生にとってAIは身近な就職活動ツールとなっています。

引用:株式会社マイナビ「マイナビ 2027年卒 大学生キャリア意向調査4月<就活生のAI利用について>」

このような状況では、企業も学生のAI活用を前提にインターンを設計することが求められるでしょう。例えば、企業情報はAIを利用すれば簡単に調べられる時代だからこそ、サマーインターンではホームページには掲載されていない現場社員の考え方や企業文化、仕事のやりがいなど、人との交流を通じてしか得られない価値を提供する必要があります。
また、学生がAIで作成した回答だけでは見えない思考力や価値観を把握するためにも、ディスカッションやグループワークなど、対話をベースにしたプログラムの重要性がさらに高まると考えられます。
自社のサマーインターンを学生の印象に残るものにするには、AIでは代替できない「リアルな体験」を提供することが不可欠です。

スカウト(逆求人)サービスの定着

学生との接点づくりも大きく変化しています。従来の新卒採用では、ナビサイトを通じて学生からエントリーを受ける方法が一般的でした。しかし近年は、企業が学生に直接アプローチするスカウト(逆求人)サービスの活用が急速に広がっています。

株式会社リクルートの研究機関・就職みらい研究所が公表した「就職白書2025」によると、2026年卒採用でスカウト・オファー型採用を実施した企業は36.1%となり、前年よりも増加しています。特に大企業では約半数が導入しており、採用活動の主要なチャネルとして定着しつつあります。

引用:株式会社リクルート 研究機関・就職みらい研究所「就職白書2025」

また、レバテック株式会社が公表した「レバテックIT人材白書2025」でも、新たに採用チャネルを増やした企業のうち、約半数がスカウト型求人媒体を導入しており、「待ちの採用」から「攻めの採用」へと転換が進んでいる様子がうかがえます。

引用:レバテック株式会社「レバテックIT人材白書2025」

こうした変化により、サマーインターンの集客方法も変わりつつあります。ナビサイトへの掲載だけでは十分な応募を集めることが難しくなった今、スカウトサービスを活用して自社にマッチする学生へ個別にインターンを案内する企業が増えています。

そのため、企業は「参加人数を増やすこと」だけではなく、「どのような学生に参加してほしいのか」というターゲット設計を明確にすることが不可欠です。ターゲット学生の志向や価値観を踏まえてスカウト文面やインターン内容を設計することで、参加率だけでなく、その後の選考への移行率や内定承諾率も向上するでしょう。

学生満足度が高いサマーインターンの特徴

続いて、学生満足度が高いサマーインターンの特徴について解説します。

実際の業務を体験できるワークが充実している

学生満足度の高いサマーインターンの特徴として、実際の仕事を体験できるプログラムが充実している点が挙げられます。近年の学生は、企業ホームページや採用サイト、口コミサイトなどを通じて事前に多くの情報を収集しています。そのため、会社概要や事業内容を説明するだけでは新たな発見が少なく、「説明会と変わらなかった」という印象を持たれかねません。

一方、実務を疑似体験できるワークショップやグループワークを取り入れることで、学生は仕事内容への理解を深められるだけでなく、自身がその企業で働く姿を具体的にイメージできるようになります。例えば、営業職であれば顧客への提案を体験するロールプレイング、企画職であれば新商品の企画立案、IT職であれば簡単なシステム開発や課題解決ワークなど、実際の業務に近いテーマを設定することで、学生に仕事の魅力や難しさをリアルに感じてもらえるでしょう。

また、グループワークを実施する際は、単に成果物を作成して終わるのではなく、社員からフィードバックを受けられる時間を設けることも重要です。「なぜその提案が評価されたのか」「実際の業務ではどのような視点が求められるのか」を伝えることで、より学びが深まり、企業や業務への理解度も高まります。

学生はインターンを通じて「企業を知る」と同時に、「自分に合う仕事なのか」を見極めています。だからこそ、実務を体験できるコンテンツを充実させることが、結果的に学生の記憶に残り、最終的な志望度向上にも繋がります。

社員との交流機会が十分に設けられている

社員との交流機会を十分に設けることも、学生の記憶に残るサマーインターンにする施策の一つです。なぜなら、現場で働く社員との直接的な交流は、学生にとって企業の雰囲気や文化、仕事のやりがい、苦労話などを肌で感じる貴重な機会となるからです。

例えば、年齢が近い社員は、「入社の決め手」「仕事で苦労したこと」「就職活動で意識したこと」など、学生が知りたい情報を同じ目線で発信してくれるでしょう。また、管理職やベテラン社員との交流では、企業のビジョンや戦略、業界における立ち位置などを深く理解する機会となり、学生の視野を広げ、企業への共感を醸成します。

なお、交流の場では、学生が質問しやすい雰囲気を作ることも大切です。小グループでの座談会やランチ交流など、自然な会話が生まれやすい環境を整えることで、学生は疑問や不安を解消しやすくなります。また、社員にも自身が苦労した経験や失敗談も交えながら話してもらうことで、学生はより親近感を抱きやすくなります。
このような双方向のコミュニケーションは、学生の記憶に深く残り、企業への志望度を高めることにも寄与するでしょう。

企業の魅力やカルチャーを体感できる

サマーインターンでは、仕事内容だけではなく、会社の文化や風土を体感してもらうことも重要です。企業理念やビジョン、働き方、価値観などは、資料や動画だけでは十分に伝わりません。

例えば、オフィスツアーを実施して働く環境を紹介したり、社内イベントの様子を共有したりすることで、日常の雰囲気を伝えられます。また、部署横断で社員が参加するプログラムを用意すれば、「部署間の連携が活発」「相談しやすい雰囲気」といった企業文化も伝わるでしょう。

学生は、企業選びの際、仕事内容だけでなく「どのような人たちと働くのか」「どのような環境で成長できるのか」という視点も重視しています。企業文化にマッチするという印象を与えることができれば、学生の記憶にも深く残るでしょう。

7月からでも実践できるサマーインターン改善のポイント

ここからは、7月からでも実践できるサマーインターン改善に向けたポイントを紹介します。

学生参加型のプログラムを増やす

サマーインターン本番が近づく7月になると、「今からプログラムを大幅に変更するのは難しい」と考える採用担当者も少なくありません。しかし、学生の満足度を高めるためにゼロから企画を作り直す必要はありません。既存のプログラムに学生参加型の要素を加えるだけでも体験価値は大きく向上します。

例えば、会社説明が中心のプログラムであれば、説明時間を短縮し、その後にグループディスカッションやケーススタディを追加するだけでも、学生が主体的に参加する時間を増やせます。営業職であれば提案内容を考えるワーク、企画職であれば新商品のアイデアを提案し合うワーク、エンジニア職であれば簡単な課題解決演習など、実際の仕事内容に近いテーマを設定することで、学生は業務への理解を深めやすくなります。

また、発表の場を設けることも効果的です。学生はアウトプットすることで学びが整理されます。加えて、社員からフィードバックを受けることで、自身では気付かなかった強みや改善点を知ることができます。フィードバックの場では、「現場ではこのような視点も重要になる」「この考え方は実際の仕事でも活かせる」といった実務との関連性を伝えると良いでしょう。

このように、限られた準備期間であっても学生が考え、行動し、社員と対話する機会を増やすことで、学生の印象に残るインターンシップへと改善できます。

社員への事前説明・役割共有を徹底する

インターン実施前には、参加する社員への事前説明や役割共有を十分に行いましょう。
社員がインターンシップの目的や学生に期待する役割を十分に理解していなければ、企業として伝えたいメッセージに一貫性がなくなってしまい、場合によっては企業イメージの低下を招く恐れがあります。

具体的には、インターンシップの開催前に参加する社員を対象とした説明会を実施し、プログラムの全体像や各社員の役割、学生への接し方、フィードバックのポイントなどを詳細に共有しましょう。
また、各社員に具体的な役割を持ってもらうことも有効です。例えば、若手社員には就職活動や入社後の経験談を話してもらい、管理職にはキャリア形成や仕事への考え方を伝えてもらうなど、役割を明確にすることで、学生に多面的な情報を提供できます。

参加学生への事前・事後コミュニケーションを強化する

サマーインターンシップの効果を最大化するには、プログラム実施中だけでなく、参加学生への事前・事後コミュニケーションを強化することも重要です。

事前コミュニケーションでは、リマインドメールを送るだけではなく、「当日はどのような体験ができるのか」「どのような準備をしておくとより学びが深まるのか」といった情報も伝えましょう。参加目的が明確になることで、学生はより主体的な姿勢でインターンに臨めるようになります。
インターン終了後のお礼メールを送る際は、ワークへの取り組み姿勢や印象に残った点などパーソナライズされた一文を添えることで、学生は「一人ひとりを見てくれている」と感じます。
さらに、秋冬インターンや社員座談会、オープン・カンパニー、早期選考など、次の接点機会となるイベントを案内するのも良いでしょう。

インターン終了後しばらく連絡がない状態では、学生の関心は他社へ移ってしまいます。
このように事前・事後まで含めて採用体験を設計することが、学生の記憶に残るインターンを実現します。

サマーインターンを採用成果に繋げるために企業が意識したいこと

最後に、サマーインターンを採用成果に繋げるために企業が意識したいことを紹介します。

満足度ではなく志望度を高める

サマーインターンの目的は、単に学生に「楽しかった」「良い経験になった」という満足感を与えることだけではありません。採用担当者が目指すべき成果は、自社への志望度の醸成や向上にあります。

志望度を醸成・高めるには、学生自身が「会社で活躍している姿」を想像できるような体験を提供することがポイントです。例えば、社員が自身の仕事の困難さやそれを乗り越えた経験を語るセッションを設ける、学生が実際に企業の課題解決に貢献できるようなワークを提供するなどが挙げられます。また、「入社後にどのような成長ができるのか」「どのようなキャリアを描けるのか」といった将来像まで伝えることで、学生は自分が思い描くキャリアと重ね合わせながら、応募するに相応しい企業か判断しやすくなるでしょう。

サマーインターンは、学生に企業を知ってもらうだけでなく、「ここで働きたい」と感じてもらうための機会です。単なる「良い思い出」で終わらせず、自社への志望度を高めるプログラム設計が採用成功に直結します。

組織全体で学生と接する

採用担当者だけではなく、組織全体で学生を迎え入れる体制を整えることも、サマーインターン後の採用成果を最大化する上で不可欠です。学生はインターンを通じて、仕事内容だけではなく、「どのような人たちと働くのか」「職場にはどのような雰囲気があるのか」といった企業文化も見ています。

例えば、営業部門や開発部門など複数の部署が参加するプログラムを設けることで、学生はさまざまな職種の仕事内容や働き方を知ることができます。また、若手社員だけでなく、管理職や役員が学生と対話する機会を設けることで、企業理念や経営方針への理解も深まります。
多様な社員との交流は、学生が自身の興味や適性に合った部署や職種を見つける手助けにもなるでしょう。

インターンを単独イベントではなく採用プロセスとして設計する

サマーインターンを実施する際は、イベント単体で完結させるのではなく、その後の選考や内定承諾までを見据えたインターン初期の施策であることを意識しましょう。

例えば、社員座談会や秋冬インターン、オープン・カンパニーなど複数の接点を設けることで、学生との関係を継続的に構築できます。さらに、インターン参加者限定の早期選考や個別面談などを実施すれば、学生に特別感を与えることができるだけでなく、企業も学生の志望度を把握しやすくなるでしょう。

また、参加態度やワーク成果といったインターンシップで得られた学生データを適切に管理し、その後の採用活動に活用することで、学生一人ひとりに合わせたアプローチが可能になります。

イベント単体の成功だけを目指すのではなく、秋冬のイベント、本選考、内定承諾までを見据えた採用プロセス全体を設計することで、採用成果に繋げることができるでしょう。

まとめ

サマーインターンは企業と学生が最初に接する重要な機会です。多くの学生は複数のインターンに参加するため、会社説明だけでは他社との差別化は難しく、「学生の記憶に残る体験」を提供できるかどうかが採用成果を左右します。

サマーインターンを通じて学生に自社への志望度を高めてもらうには、実務を疑似体験できるワークや社員との交流、企業文化を体感できるコンテンツなどを取り入れ、学生自身が自分の働く姿を具体的にイメージできるプログラムを提供することが重要です。

7月の段階であっても、学生の記憶に残るサマーインターンにすることは十分可能です。本記事を参考に、学生参加型のワークを増やす、社員との交流機会を充実させるなどの改善策を取り入れ、採用成功に繋がるサマーインターンづくりにお役立てください。

コラムを書いたライター紹介

日向妃香

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採用系コンサルタントとして企業の採用サポート・採用戦略構築・採用ノウハウの提供を行いながらライターとしても活動中。
得意分野は新卒採用とダイレクトリクルーティング。

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