【2023年最新】中途採用の市場動向|業界・職種別の動きや2024年問題も解説
企業の人事担当者であれば、押さえておきたい最新の「中途採用市場動向」。今回は2023年の中途採用市場動向と、業種・職種別の動き、今話題の2024年問題を解説します。
2023年最新!中途採用の市場動向とは?
2023年最新の中途採用市場動向は、求人倍率が1.0を超え、求職者が求人を選べる「売り手市場」が続いています。
実際に厚生労働省が発表した「一般職業紹介状況(令和5年4月分)について」を見ると、2023年4月地点の有効求人倍率は1.32と高い数値でした。2022年4月地点の数値と比べると0.08ポイント上昇しています。
参照:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和5年4月分)について」
【業種・職種別】最新の中途採用市場動向を解説
ここからは、業界・職種別に最新の中途採用市場動向を解説。新型コロナウイルス感染症の5類移行を受けて各業界・職種の転職市場は大きく変化しています。今回は全4業界・職種の最新状況をお届けします。
IT・通信業界
求人抑制の動きがいまだ続いているIT・通信業界。しかし、即戦力のニーズは引き続き高い傾向にあります。また「生成系AI」の求人が出てきているのが特徴。
求職者が求める条件の観点から見ると、働き方の柔軟性を求める傾向が高いと言えます。その上で求職者は「賃金」「労働条件」をとくに重視して企業を選ぶ傾向があります。
コンサルティング業界
コンサルティング業界は、「生成系AI」「SaaS」(SaaS:必要な機能を必要な分だけサービス利用できるようにしたソフトウェア)「クロスインダストリー」(クロスインダストリー:ビジネスの異業種連携)などのキーワードで採用ニーズが上昇。
業界内転職の求職者は、中堅・ベンチャーへの転職を求める傾向があります。異業界出身者は「キャリア形成」を求める場合が多く見られる状況です。
自動車業界
自動車業界は、「電動化」「コネクテッド領域の進化」を背景に求人数が増加しています。自分が手がけた製品が世界へ広がることに魅力を感じ、さまざまな業界から転職している人が多くいます。
運送業の残業時間の規制開始は中途採用の市場動向に関係する?2024年問題を解説
株式会社マイナビが2023年1~7月に中途採用を行った企業の人事担当者を対象に実施した「中途採用実態調査(2023年)」を見ると、2024年問題を理解できます。
中途採用実施調査の中で2024年問題と関連している観点は、「運輸・交通・物流・倉庫」業界の中途採用状況です。「運輸・交通・物流・倉庫」業界は、「労働時間短縮への対応」が33.7%と全体平均より10ポイント以上も高い数値が出ています。
この理由は、2024年4月からトラックドライバーを含む運送業の残業時間に規制がかかることを「2024年問題」ととらえ、多くの企業が人材確保に踏み入れているからです。さらに「年代別人員構成の適正化」や「定年退職者の増加」も全体よりも高い数値であったため、世代交代を見据えている企業が多いと推測できます。
参考:
株式会社マイナビ 2024年問題への対応が顕著に表れる結果に。マイナビ、「中途採用実態調査(2023年)」を発表
厚生労働省 時間外労働の上限規制の適用猶予事業・業務
中途採用の市場動向を押さえて、時代に合った適切な人材採用を行いましょう!
今回は2023年最新の中途採用市場動向と、業種・職種に特化した動向、今話題の2024年問題を解説しました。
急速なIT化や新型コロナウイルスの流行・収束によって、大きな変動を受ける中途採用市場。各企業の人事担当者は定期的に中途採用市場を確認し、時代に合った適切な人材を採用していく必要があります。
今後も「ウマい人事」では定期的に別業界の動向情報もお届けします!ぜひチェックしてみてください。
コラムを書いたライター紹介
八巻美穂
インターン生としてロサンゼルスのIT系コンサルティング会社で2年勤務後、塾講師として学習塾に新卒入社。メンタルダウンを経験し、フリーランスの道に。現在は、ビジネス系のSEOからキャリア系のインタビューまで幅広く執筆中。
コメントはこちら