内定者フォローの方法とは|内定辞退を最小限に抑えるコツを解説【新卒採用者向け】
優秀な人事を確保し、採用にかけた工程を無駄にしないためにも防ぎたい内定辞退。
しかし現在は、かつては学生がこぞって入社していた有名企業でも内定辞退が5割を超えることは珍しくない時代です。
そのため採用担当者にとって、最後まで気が抜けない大事な役割が内定者フォローです。どれだけ多くの母集団を集められたとしても、内定者フォローにかける手間次第で採用率は大きく変わります。
そこで今回は、内定辞退を最小限に抑えるための内定者フォローの方法を解説します。
内定者は入社前にどのくらい不安に思っているのか
2020年に株式会社ラーニングエージェンシーが内定者1,004人を対象に実施した「内定者意識調査」によると、77.2%の内定者が「不安」や「心配な気持ち」があると回答しました。反対に就職に「嬉しさ」「楽しみ」「期待感」を抱いている内定者は約5割です。
また、不安に思っている内容を見ていくと、内定者の6割以上が「自身の能力で仕事についてけるか」「しっかりと成果を出せるか」と回答。また、「職場の人とうまくやっていけるか」と人間関係に不安を抱く学生も半数以上を占めていました。この結果から見ても内定者フォローは企業にとって重要な施策であると言えます。
参考:PR TIMES ラーニングエージェンシー「内定者意識調査」
内定者フォローの種類とは
内定者フォローには入社までに行う「中期的フォロー」と内定を出した直後に行う「短期的フォロー」の2種類あります。どちらも手を抜かず丁寧に行うことが大切で、両者の上手な組み合わせが内定辞退につながります。
中期的フォローとは
中期的フォローは、内定を出した5月6月から内定式が行われる10月、さらに翌年春の入社までの間、内定者のフォローを行うことです。最低でも月に1回は、研修や懇親会など企業と内定者の接点を作ることが大切です。
中期的フォローの目的は主に以下の2つがあります。
目的1:心変わりをさせない
学生は、内定が出てから入社までの間、大学の友人との間でどんな研修が行われているか、同期や社内の雰囲気はどうかなどさまざまな会話を交わします。その中で、自分の会社の研修や懇親会が疎かであれば、不安になり内定自辞退を考えるでしょう。
また、中には公務員試験を控えている学生もおり、国家公務員と企業への就職を天秤にかけた際、フォローが丁寧であれば企業への就職を選んでくれる可能性が高まります。
目的2:早期育成
入社までの期間を無駄にせず、プロジェクト型の研修を実践すれば、新卒社員を即戦力候補として早期に育成することができます。
短期的フォローとは
短期的フォローとは、内定を出した直後に行う内定者面談を指します。
短期的フォローの目的は、入社動機を高めてもらうため、内定者が抱いている不安や疑問を全て洗い出しクリアな状態を目指すことです。企業のことをよく知らず、何が不安なのかわからない学生も多いと予想できるため、面談だけでなく「入社に至るまでの不安チェックリスト」を用意しておくと良いでしょう。
また、内定者から出てきた疑問や不安は、たとえば下記のように項目ごとに分けて自社でできる最大限のフォローを実施しましょう。
- 人間関係に関する不安→懇親会の開催、人事面談の実施
- 仕事内容に関する不安→職務体験ができる機会を作る、先輩社員との懇親会の開催
- 会社の将来性に関する不安→経営者面談の開催
短期的フォローは、学生が最終的に入社先を絞り込む6月末まで、内定を出してから1週間以内に行うことをおすすめします。
親御さん向けの面談・会社説明会・懇親会の実施
今の時代は内定者の親御さんを味方につける「親確」という言葉があるように、内定者の親御さんにも安心してもらう面談や会社説明会、懇親会の実施は重要です。
その理由は、内定者の多くは親の意見を参考に入社先を決めているからです。親御さん向けのイベントは、遅くとも内定式がある10月までに実施し、親御さんと内定者両方が納得して入社できる心理的状態を作ることが大切です。
内定者フォローで採用率を安定させよう
今回は、内定辞退で悩まれている採用人事の方に向けて、内定辞退を防止するための内定者フォローの方法を解説しました。
内定者フォローは、中期的・短期的な目線でさまざまな内定者の不安に対して施策を行うことが大切です。内定者と親御さんからの信頼を獲得できれば、結果的に今後の定着率向上にもつながり、巡り巡って安定した企業経営にも寄与することでしょう。
ぜひ本記事でご紹介した方法を参考に、会社全体で連携し合いながら内定者フォローを実践してみてはいかがでしょうか。
コラムを書いたライター紹介
八巻美穂
インターン生としてロサンゼルスのIT系コンサルティング会社で2年勤務後、塾講師として学習塾に新卒入社。メンタルダウンを経験し、フリーランスの道に。現在は、ビジネス系のSEOからキャリア系のインタビューまで幅広く執筆中。
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