アフターコロナで働き方はどう変わる?実態調査と今後の変化を考察


コロナ禍により働き方、働く価値観が大きく変化しました。
未だ収束が見えない中で、今後の働き方に不安を覚える人も多いのではないでしょうか。
この記事ではテレワークに関する調査結果を紹介し、変化に適応するための新しい働き方や必要な意識について考えていきます。
アフターコロナの新しい人事・労務制度作りの参考となりますので、ぜひ人事担当者の方は参考にしてください。

参考
https://www.persol-pt.co.jp/miteras/column/aftercorona/
https://www.adeccogroup.jp/power-of-work/207
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000039533.html

テレワークに関する調査結果と課題について

はじめにテレワークに関する調査結果とそこから見える課題をまとめます。
なおこの調査は、勤怠管理・交通費精算クラウドサービス「kincone(キンコン)」などを開発・提供する株式会社ソウルウェアが、20代〜60代の会社員542名を対象に「アフターコロナにおける企業の働き方」に関して実施したものです。

コロナ禍での業績

コロナ禍で業績が上がったと回答したのは2割程度。
そのうちの8割が「勤怠管理を徹底している」と回答。
コロナ禍での業績安定は勤怠管理が大切。

勤怠管理の方法

タイムカードが最多で26%。
次いでクラウドツール、パソコンの起動時間。
タイムカード・紙や申告用紙・Excel記入・メール報告という属人的な方法が6割を占める。
勤怠の記録をしていないという回答も12%あり、「コロナ禍での業績」の結果も踏まえると、勤怠管理の徹底と方法の最適化が大切。

テレワーク経験者の不満

テレワーク経験者の6割が「不満がある」と回答。
課題を聞くと「オン・オフの切り替えが難しい」が最多で、「オンライン会議がやりづらい」「生産性が下がった」「社内評価制度が未整備」「孤独を感じる」と続いていく。

世代間で見るテレワークの課題

20代が感じる課題の1位は「会社指定のツールがテレワークに対応していない」
30代は「残業が増えた」
40代は「通信環境が不安定で仕事がしづらい」
50代は「仕事にやりがいを感じづらい」
60代は「孤独を感じる」と「社内の評価制度が整っていない」が同率。

若い世代にとっては社内環境やツールの最適化といった環境面の整備、上の世代にはリモートでの社内交流やコミュニケーション活性化といったメンタル面のケアが重要。

テレワークそのものについて

現在テレワークを実施している人は3割程度。
そのうちの9割がテレワークを継続する、または継続予定。
最多の継続理由は「業務に支障がなかった」で、次いで「社員から好評だった」「生産性が上がった」「残業が減った」と続く。

今後も多くの企業でテレワークの継続が予測されるため、社員のメンタルケアと就業環境の整備は非常に大切なのが分かります。

コロナ禍で変化した働き方

ここで改めて、コロナ禍によって働き方がどう変わったのかおさらいします。

勤務形態の多様化

自宅やカフェなどのオフィス以外での勤務、いわゆるテレワークが普及しました。
他にも時差出勤やフレックスタイム制など場所と時間にとらわれない働き方が増え、企業改革の促進やオフィス賃料・電気代などあらゆるコストカットにつながっています。

労務管理方法の見直し

従来は出社により、タイムカードやパソコンの起動時間で勤務時間が確実に把握できていましたが、テレワークの場合は適正な勤務時間の把握が困難という問題が生じます。
そのため連絡ツールによる始業・終業の報告や、クラウドシステムの導入による勤怠管理が多く用いられています。

リモート会議

社内の会議だけでなく、取引先など社外とのコミュニケーションもオンラインが増えています。
そのため、会議場所の確保や移動にかかる時間・コストの削減にも効果的です。

ハイブリッドワークとは?

それでは今後、どのような働き方が理想なのでしょうか。
感染拡大が収束してもテレワークの継続は予想される中で、テレワークとオフィスワークを組み合わせた「ハイブリッドワーク」という形について考えてみましょう。

メリット

ハイブリッドワークのメリットは以下のとおりです。

  • 勤務体系の多様化
  • 主体性の発揮によるモチベーション向上
  • 生産性の向上

ハイブリッドワークは、テレワークか出社かをその時々に応じて社員自身で選びます。
働き方・働く場所を自由に選べることで社員の主体性が発揮できる上、業務のしやすい場所と時間を自ら決められることで生産性の向上も期待できます。

実現のためのポイント

ハイブリッドワークの効果を最大限発揮するためには、いくつかのポイントがあります。

  • ルールの策定
  • システムツールやソフトウェアの導入
  • 社員の意識改革
  • 定期的な社内調査

働き方が多様化すれば、それに応じてルールの見直しが必須です。
テレワークとオフィスワークが混在するハイブリッドワークでは、社員が今どのように働いているのかの把握が重要です。出社していなくてはならないコアタイムの設定など、細かいルール作りが大切になってきます。

それに伴い、必要なツールやソフトウェアの導入も忘れてはなりません。
勤務状況の把握、コミュニケーションが減少しないようにするシステム整備など優先的にに取り組むことをおすすめします。

ルールや環境を整えたら、社員の意識改革が必要です。
ハイブリッドワークは社員の主体性によるところが大きいため、生産性を落とさずモチベーション高く働いてもらうためにも、社員へ自立を促していきましょう。

また導入後は、社員の声に今まで以上に耳を傾けることが大切です。

表面化しているものから潜在的なものまで、定期的に社内調査をすることで社員それぞれの悩みをリストアップし解消していきましょう。

ワークスタイルをデザインする時代へ

コロナ禍をきっかけにさまざまな働き方が生まれ、自分自身で働き方をデザインする時代となりました。
そんな中で提唱されてきた「WFX」という概念と、スタイル探しに大切な「3つのS」について解説します。

WFHからWFXへ

「WFH」とは「Work From Home」の略で、「WFX」は「Work From X」の略です。
在宅勤務が前提のWFHではなく、コワーキングスペースやサテライトオフィス、ワーケーションなども含めた、より柔軟なWFXの意識こそ社員の主体性やモチベーション向上につながります。
多様な場所で働くことで、オフィスや自宅では出てこなかったアイデア・イノベーション創出も期待できるでしょう。

ワークスタイル探しのヒント「3つのS」

主体的に働くために、そして自分に合うワークスタイルを見つけるために自身の価値観やライフスタイルと向き合う必要があります。その際に指針となる「3つのS」が存在します。

Stimulate(刺激)

在宅でもオフィス勤務でも、新しい発見や新鮮な刺激があると仕事や生活に役立つヒントになりえます。
コワーキングスペースやワーケーションであれば、さらに新鮮な出会いや発見があるでしょう。
刺激を得られる働き方というのはワークスタイルにおいて大切な観点です。

Story(共感する物語)

ワークスタイルに限らず日々の充実というものは、数々の共感によって作られています。
仕事内容、仕事をする仲間や取引先、消費者など、仕事のやりがいにつながっている共感はどこにあるのかを考えることで、自身の理想のキャリアやワークスタイルが見つかりやすいでしょう。

Sustainable(持続可能性)

人生100年時代、高齢の労働者も珍しくない昨今では、自分にとってどのような働き方が持続可能なのか考えることで無理なく過ごしていけます。

まとめ

以上、調査データを用いてコロナ禍で変化しつつある働き方について解説しました。コロナ禍による大きな社会変化をデメリットとして捉えることなく、いかに上手に適応できるかが今後の鍵になってくるでしょう。
今の社内体制から課題を見つけ、アップデートしていく姿勢が企業には求められています。
本記事で解説した内容を参考に、アフターコロナの新しい人事・労務体制作りに取り組んでみてはいかがでしょうか。

コラムを書いたライター紹介

木村竜太朗

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Webライター兼コンテンツディレクター。複数メディアで執筆しながら、ライター管理やコンテンツディレクションを担当しています。Kindleで「月の収入を2倍にするWebライティング術」出版しています。

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