VUCAが働き方やキャリアプランに与える影響


不確実性が高く、未来の予測が困難な現代社会を表す言葉が「VUCA」です。新型コロナウィルスの出現や、地球温暖化による気候変動や異常気象、など予測のできない事象が多数起きていることからVUCAという時代性をより意識することとなるでしょう。そして、VUCAは人々の働き方やキャリア形成にも大きな影響を与えています。本記事では、そんなVUCA時代に求められる働き方・キャリア形式について解説し、いま企業が採用すべき人物像についてご紹介します。

現代社会において、市場価値の高い人材を採用したい人事担当者の方はぜひ最後までお読みください。

VUCA時代の働き方とキャリア形成

VUCAは、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った言葉です。VUCAのそれぞれの特長が、人々の働き方やキャリア形成にどのような影響を及ぼしているのか解説します。

Volatility(変動性)

現代社会では、テクノロジーの目まぐるしい発達やSNSの情報発信などによって、人々の価値観や社会の仕組みが日々変化しています。そのため、短期間のうちにニーズが失われてしまう商品・サービスも少なくありません。

急激な変化に晒され続ける世の中であることから、働き手の意識も変化しており、一つの会社に依存するのではなく、複数の仕事を掛け持ちするパラレルワークなどの働き方が増えています。また、今後は一つのスキルに特化するのではなく、キャリアの掛け合わせによって自身の市場価値を高める人材が増えていくでしょう。

Uncertainty(不確実性)

日本では地震や台風などの災害に見舞われるリスクが常に存在しています。また、近年では新型コロナウィルスの感染拡大によって世の中の状況が一変しました。このような災害や未知の感染症などの不確実性は、人々の働き方やキャリア形成にも影響を及ぼします。不確実性が高い世の中になったことで、日本では終身雇用や年功序列賃金が崩壊しつつあります。したがって、本業の傍ら副業に取り組む方が今後も増えていくことでしょう。

Complexity(複雑性)

経済のグローバル化によって、ビジネスは複雑性を増しました。日本人相手に成功したビジネスであっても、文化や価値観、習慣の異なる海外の顧客に売れるとは限りません。海外でビジネスを成功させるためには、現地の文化や価値観、情勢などさまざまな要因を考慮しなければなりません。また、少子高齢化が進む日本国内においては、人材確保のためにもダイバーシティに取り組むことが急務です。企業は多様な働き方を受け入れる仕組みを整備する必要があり、人事業務においても複雑性が増していくと考えられます。

Ambiguity(曖昧性)

かつてはテレビや新聞といったマスメディアは人々の価値観に多大な影響を及ぼしていました。しかし、インターネットやSNSなどが発達した昨今では、さまざまな情報収集が容易になり消費者の価値観は多様化しています。そのため、過去の実績や成功例に基づいたやり方が通用しない、曖昧性の高い世の中になっているといえるでしょう。

曖昧性の高い世の中では、キャリアプランにおける絶対的な正解がありません。したがって、上から言われたことに従うのではなく、一人ひとりが主体性を持ってキャリアプランを決定し、自分で意思決定をすることが求められています。

VUCA時代に採用すべき人材

VUCAという時代性は、企業にも大きな影響を及ぼします。不確実で移ろいやすいVUCA時代を生き抜くために、企業はどのような人材を採用すればよいのでしょうか。

常に学習し成長できる人材

テクノロジーが日々進化し、顧客ニーズが目まぐるしく移り変わるVUCA時代では、それまでに常識とされていた考えがある日突然通用しなくなることもあります。

そのため、常に学習を怠らず、知識や価値観をアップデートし続ける人材が必要です。過去のやり方に固執する人材ばかりでは、VUCA時代で生き残ることは困難でしょう。

高い専門性を持つ人材

かつての日本企業は、幅広いスキルを持つジェネラリストを育成する傾向にありました。しかし、さまざまなテクノロジーが急速に発展するVUCA時代では、高い専門性を持つスペシャリストが必要不可欠です。このような人材を雇用するためには、プロジェクトベースで各分野のスペシャリストを集める「ジョブ型雇用」を導入するのもおすすめです。

スピーディな意思決定を下せる人材

変化のスピードが速いVUCA時代では、意思決定に時間をかけてはいられません。そのため、迅速な意思決定を下せる人材が必要となります。

しかし、意思決定をスピーディに行うためには、責任の所在を曖昧にしてはなりません。組織・個人における責任の所在を明確化することで、意思決定をスムーズに行えるような仕組みづくりも必要です。

変化に対応できる人材が必要

ここまで、VUCA時代に必要な人材について解説しました。

現代社会は、以前に比べて不確実性や曖昧性が高い世の中です。だからこそ、知識や価値観のアップデートを怠らず、目まぐるしく変わる世の中にいち早く適応できる人材が必要となるでしょう。本記事でご紹介した内容を参考に、社内制度や採用活動に取り入れてみてはいかがでしょうか。

コラムを書いたライター紹介

サカモトケンタ

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フリーランスWebライター/Webディレクター
Webライターとしては記事執筆のほか採用サイトなどのライティング、WebディレクターとしてはHPやLPの制作を行っています。
マーダーミステリー・TRPGにハマっています。

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