採用のミスマッチを防ぐ求人広告の作り方
ウマい人事読者の皆さん、いつも記事を読んでくださってありがとうございます。
この度、ウマい人事を運営するデイリー・インフォメーション関西と、パートナー会社である株式会社NOVELがコラボすることになりました!
NOVELは、人と企業の本質的なマッチングを重視した採用支援・採用コンサルティングを行っている会社です。
忙しい人事担当者向けに、採用のお役立ち情報を発信をするウマい人事と、ミスマッチのない採用を実現しているNOVELがタッグを組むことで、人事の皆さんにさらに有益なノウハウを届けたいと考えています。
今回は「採用のミスマッチを防ぐ求人広告の作り方」をテーマに、NOVELの求人広告に対する考え方や制作におけるポイントなどを伺いました。
採用のミスマッチを起こす求人広告とは
採用のミスマッチは、求人広告に記載されている情報と、求職者が理解している内容とのギャップによって生じます。企業からの情報提供が不足していると求職者との間で認識や価値観のズレが起きてしまいます。
その結果、入社後にミスマッチが発覚し、早期退職などの原因になってしまうのです。
たとえば、求人広告でよく見る下記の表現も、実はミスマッチにつながる可能性があります。
例)「コミュニケーション能力のある方を歓迎します!」
- コミュニケーション能力という曖昧な表現を使用している。
- 聞く力、読み取る力、伝える力、交渉する力などコミュニケーション能力とひと口に言っても多くのスキルに分解される。
- どのスキルを求めるのか、詳細に書かれていない。
例)「年次関係なく昇給のチャンスがあります!」
- 具体性がなく「昇給のチャンス」という抽象的な説明になっている。
- 昇給時期(目安でも可)や、昇給実績などが明記されていない。
- 求職者の捉え方と事実に差が出てくる恐れがある。
例)「未経験歓迎!誰でもできる簡単な倉庫作業をお任せします!」
- 誰でもできる作業かどうかは個人の能力によるので、表現が主観的。
- 具体的な仕事内容が書かれていない。
- 職種と業種のどちらも未経験でよいのか判断できない。
曖昧な表現や誇張表現、事実と異なる内容、また、実現の可能性が低い事実などを書くことは、人と企業の良質なマッチングにつながりません。
ミスマッチを起こす求人広告のデメリット
ターゲットとする人材からの応募がこない
仕事内容や求めるスキルについての情報が不明瞭だと、本当に採用したいターゲットからの応募がこないという状況に陥ります。「本当はこういう人からの応募が欲しいのに、対象外のターゲットからの応募ばかりきてしまう」という状況にもなりかねません。
入社後のモチベーションが低下する
求人広告から求職者がイメージしていた仕事内容と実際の内容が異なると、入社後のモチベーションが低下してしまいます。本来のパフォーマンスを発揮できない故に成果も出せず、組織全体の生産性も下がってしまいます。
早期退職につながる
モチベーションが下がり、会社から求められる成果も出せない。その結果、早期退職となってしまいます。早期退職はコスト損失になるだけでなく「こんなはずじゃなかった!この会社の求人広告はウソだらけだ!」とブランドイメージの低下にもつながりかねません。
既存社員のモチベーションが低下する
ミスマッチによる早期退職が重なると、既存社員にも大きな影響を与えます。
退職者が出る度に新たな人材を採用すると、その都度教育し直す時間が取られることや、業務負担が一気に増えてしまうことなどから、生産性が低下。退職者が続くことで、会社への不信感が高まる原因にもなってしまいます。
このような状態になっては、企業と求職者、ひいては既存社員も幸せになりません。
ミスマッチを起こさないためにも、企業は自社の強みも弱みも明確にした上で、情報をウソなく、きれいごとなく書くことが大切です。
ミスマッチを防ぎ、魅力的な求人広告を作るポイント
前述の通り、求人広告に情報をウソなく書くことは必須です。
その上でもうひとつ重要なことは、採用したいターゲットに合わせて書くことです。
ミスマッチを防ぎながら、ターゲットを魅了する求人広告を作るための3つのポイントを解説します!
ターゲットの明確化
よい求人広告を作るための最初の一歩は、ターゲットを明らかにすることです。まずはターゲットの能力や特徴をどんどん書き出します。箇条書きでも構いません。出てきた内容を年齢や経歴、学歴、保有資格などのハード面と、性格や価値観などのソフト面に分けて整理をします。可能であればペルソナの設定もできると、ターゲットがより明確になります。
<ハード面の例>
- 年齢
- 学歴
- 職種経験、経験年数
- 業界経験、経験年数
- 経験社数の上限
- 資格の有無
- 直近年収と希望年収
- 保有スキル、前職までの実績
- 地域的条件(居住地/転勤可否)
<ソフト面の例>
- 性格、特性
- 趣味、嗜好
- 価値観
- 得意なこと、苦手なこと
- 前職の退職理由
- 将来の展望
情報収集とベネフィットの整理
次に、求人広告に掲載する会社情報や採用情報を集め、そこからターゲットに訴求するベネフィットを決めていきます。
たとえば、前職でキツいノルマに追われて疲弊した方に対してなら、ノルマがないことを訴求できます。インセンティブありきの不安定な給与体系に不安を抱えていた方に対してなら、給与の手堅さを訴求するのがよいでしょう。
ベネフィットの整理ができたら、ターゲットへのマッチ度を考慮して、掲載の優先順位を決定していきます。
ベネフィットの伝え方を決める
最後に、整理したベネフィットをターゲットに合わせて伝えます。
安心感を求める方に対してなら、ノルマがないことは「経営基盤の安定性から売上に追われません」と、給与の手堅さは「安定した利益を確保し、社員に給与として還元しています」などと伝えることが効果的です。
他にも、文系卒の方に対しては商品説明において小難しい理系の表現を慎む、Uターン転職を希望する方に対しては高い地域貢献性を示すなど、各ベネフィットの伝え方を決めて、求人広告に記載していきます。
つまり、ミスマッチを防ぎ、魅力的な求人広告を作るポイントは「ターゲット」と「ベネフィット」とその伝え方です。
ポイントを意識して求人広告を作ることでの成果
では、このポイントを意識して求人広告を作ることで、得られる成果をご説明します。
求める人材からの応募が集まる
マッチング精度の高い求人広告を作ることで、質の高い母集団を形成できます。
志望度が高まる
ウソのない、かつ、ターゲットに合わせた訴求によって、応募時点での志望度を高めることができます。応募後の⾯接設定率、⾯接参加率なども改善します。
定着率が高まる
自社の強みも弱みも明確にした求人広告によって応募時点でのミスマッチが起こらず、入社後のギャップも起こりません。入社後も人材の熱は冷めることなく、早期退職を防ぐことができます。
制作事例の紹介
最後に、反響が高くターゲットの採用につながった求人広告をご紹介します!
職種:採用支援に関わるクリエイティブライター
<設定したターゲット>
- ライティング経験者(内容問わず)
- 文章を書くことが好きな人で、活字が好きなだけではなく「人」「労働」に興味関心が持てる人
<ターゲットに訴求したベネフィット>
- 採用支援において、クライアントの情報を的確に伝えるというポリシーを持っている
- 多方面に事業展開しているHRコンサル会社で働ける
- オペレーションじゃなく一気通貫で携わることができる
ポリシーを持つ会社で、クライアントのために力を尽くし納得感のあるライティング業務ができること、制作会社ではなくHRコンサル会社で面白い仕事ができることを、ターゲットが想像できる訴求に。
<その他のポイント>
ベネフィット以上に、デメリットを隠すことなく正直に書きました。
書くことが好きなだけのタイプを排除
異なる価値観の人や会社に共感しながら、事業や仕事の魅力をきちんと整理し、プロのライターとして書くことができる人と明記。
教育制度が整っていない点
べったりと横について教えてもらえるわけではないので、自走して学べる方のみ採用予定などと明記。
インプットを求める点
ライターだからと言って書くことばかりに捉われず、なんでもインプットして自分のものにしてしまおうというタイプの方にピッタリですと表現。
制作物に対するフィードバックが厳しい点
心の底から「良い物をつくりたい」という気概がなければ心が折れる可能性があることを明記し、オペレーション型の仕事を望む方はミスマッチなので応募厳禁と強めに表現。
ターゲットに合わせた伝え方でベネフィットをきちんと書き、かつ、デメリットも明確にすることでミスマッチを防止。その結果、5500PV、70応募を獲得することができました。
まとめ
求人広告を作る際、つい会社をよく見せようとしがちですが、正しい目的は求めるターゲットからの応募を獲得すること。そしてミスマッチのない採用をすることです。
人事担当者の皆さんには、ぜひこの記事を参考に求人広告を作っていただけたら嬉しく思います。
弊社にご依頼いただければ、NOVELとの制作タイアップ企画を無料でご案内させていただきます。
企業と求職者はもちろん、既存社員も幸せになれる採用活動を実現していきましょう!
コラムを書いたライター紹介
ウマい人事編集部
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