2025年7月求人市場動向


ウマい人事編集長より、中途採用市場における企業側、求職者側の動き、それぞれの観点から最新の求人市況感をお届けいたします!

転職市場は本格的な活性期へ

厚生労働省が令和7年5月に発表した『一般職業紹介状況(令和7年4月分)について』によると、令和7年4月の有効求人倍率は1.26倍であり、前月と同水準でした。また、新規求人倍率は2.24倍であり、前月に比べて0.08ポイント減少しています。

引用:厚生労働省『一般職業紹介状況(令和7年4月分)について』

例年、7月の転職市場は本格的な活性期に突入します。
特に、夏の賞与支給前から転職活動を本格化させる求職者が増加するなど、即戦力となるキャリア人材の動きが活発化すると予想されます。

下半期に向けて組織体制の強化を図る企業が多くなる時期のため、企業はキャリア人材が動き出す時期を逃さず採用につなげるためにも、必要に応じて採用プロセスの変更や人員配置の再検討など、採用戦略を見直しておきましょう。

<企業の動き>

社会情勢を踏まえた待遇面の調整を

2025年も継続する賃上げの動きは、7月の転職市場にも影響を与えると考えられます。近年の求職者の傾向として、給与などの待遇面よりも働きがいや理念への共感を重視して企業を選ぶケースが主流でした。

しかし、物価高騰が続く中、求職者は手取り額やボーナス、福利厚生などの待遇をよりシビアに比較・検討する様子が見られます。

実際に、株式会社アスマークが実施した「値上げ影響による消費者の意識調査」では、値上げの波を受け転職を考えいてた人は、全体の約20%にも上りました。

引用:株式会社アスマーク「値上げ影響による消費者の意識調査」

企業は、賃上げの社会的な潮流を踏まえ生活の質向上に直結するような待遇が求められていることを念頭に入れながら、年収の額面はもちろん、競合他社に見劣りしない福利厚生の導入や昇給が伴うキャリアパスの開示など、提示条件を調整・工夫する必要があるでしょう。

<求職者の動き>

夏の賞与支給前からのアプローチが採用成功の鍵

株式会社マイナビが実施した「2025年夏ボーナスと転職に関する調査」によると、転職検討中の正社員の約6割が「夏の賞与をもらってから転職する予定」と回答しています。
また、若年層ほどその傾向は高く、特に20代は66.4%と最多になりました。

引用:株式会社マイナビ「2025年夏ボーナスと転職に関する調査」

キャリア人材の採用を目標とする企業にとっては、賞与支給前後が採用活動に注力する絶好のタイミングといえるでしょう。

ただし、優秀な人材ほど、多くの企業が取り合う構図になることが予想されます。そのため、接点を持った求職者が他社に内定を決めてしまわないよう、書類選考から内定までの期間を可能な限り短縮し、求職者の熱意が冷めないうちに関係を構築することが大切です。

一方で、求職者も夏季賞与支給後は、早く内定を得たいという思いから、判断を急ぐ傾向があります。そのため、企業は可能な限りコミュニケーションを密にし、入社後のミスマッチが生じないよう相互理解を深められる環境を用意することを意識しましょう。

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