2025年5月求人市場動向

ウマい人事編集長より、中途採用市場における企業側、求職者側の動き、それぞれの観点から最新の求人市況感をお届けいたします!
5月は企業・求職者ともにGW明けから活動が活性化
厚生労働省が令和7年4月に発表した『一般職業紹介状況(令和7年2月分)について』によると、令和7年2月の有効求人倍率は1.24倍であり、前月に比べて0.02ポイント減少しました。また、新規求人倍率は2.30倍であり、前月に比べて0.02ポイント減少しています。
引用:厚生労働省『一般職業紹介状況(令和7年2月分)について』
4月は企業・求職者ともに一時的な活動の鈍化がみられましたが、5月に入り乱況が戻りつつあります。多くの企業は新卒社員の受け入れが一段落し、中途採用にリソースを割き始めており、求職者もGW明けから本格的に転職活動を開始すると予想されます。
5月はGW明けを境に企業・求職者双方の動きがより活発化し、採用競争が一層激しくなると考えられます。早めの対策はもちろん、求職者の転職動機に沿った戦略的なアプローチも必須となるでしょう。
<企業の動き>
GW明けの応募増に備え、採用ターゲットの再定義と媒体・訴求メッセージの見直しを
5月以降は、3月までの採用成果に応じて、企業ごとに採用したい層にバラつきが生じるでしょう。採用が思うように進まず、未充足ポジションが残る企業では、即戦力を求める傾向が顕著です。一方で3月までに採用目標を達成できた企業は、4月以降に発生した新入社員の早期退職に伴う人員補填に向け、第二新卒や育成前提の若手層の採用を開始すると考えられます。
普段とは異なる採用スタイルを取る企業も増えるため、企業は競合他社の採用ニーズや採用動向の変化にも注意を払いましょう。
また、新年度に掲げる事業戦略を踏まえ、採用ターゲットを再設定するとともに、採用ターゲットの特性・志向に合った媒体の選定や訴求メッセージの最適化を意識することも大切です。
<求職者の動き>
求職者はスキルアップ志向層と現状脱却志向層に二極化
5月は、GW期間中に自己分析や情報収集を進めた求職者が、GW明けから本格的に転職活動へ動き出すと予想されます。ただし、この時期の求職者は、具体的な成長環境を求めて転職に踏み切るスキルアップ志向層と「仕事にやりがいを感じない」「給与に不満がある」「やりたい仕事ができない」と考え、現状打破を目的に転職する現状脱却志向層とに二極化する傾向があります。そのため、企業は求職者の転職動機の違いを理解し、それぞれの層に響くアプローチを展開する必要があるでしょう。
スキルアップ志向層は、次のような特性を持っており、転職後のキャリアアップ機会や待遇をシビアに見極める傾向があります。
- 「自身の専門性をさらに深めたい」「上流工程やマネジメントに挑戦したい」「新しい技術や事業領域に関わりたい」など、明確な目的意識を持って転職活動に取り組んでいる。
- 自身の市場価値を客観的に把握しており、より自身の価値を高められる環境や成果に見合った報酬・待遇を求める傾向がある。
一方、現状脱却志向層は、次のような特性を持っており、転職理由に寄り添ったコミュニケーションや待遇の提示が求められるでしょう。
- 「想像していた仕事内容とのギャップ」「社風や人間関係への不満」「残業時間の多さやワークライフバランスの問題」など、働き方の改善を求めて転職活動に取り組んでいる。
- 企業選びでは、前職の失敗を教訓に、次はミスマッチを避けたいという意識が強く働くため、給与や待遇といった定量的な情報だけでなく、社風や働く社員の傾向、教育体制など定性的な情報を求める傾向がある。
スキルアップ志向層には“成長機会と待遇”、現状脱却志向層には“社風との相性や企業理念への共感”を軸にしたアプローチを意識し、訴求メッセージをそれぞれ最適化していく必要があります。
5月は「採用ターゲットの再設定」と「アプローチの最適化」を行う好機と捉え、現状の採用活動を見直してみましょう。
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ウマい人事編集部
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