2024年12月求人市場動向
ウマい人事編集長より、中途採用市場における企業側、求職者側の動き、それぞれの観点から最新の求人市況感をお届けいたします!
新たな求職者の登場に備え早めの動き出しが鍵
厚生労働省が令和6年10月末に発表した『一般職業紹介状況(令和6年9月分)』によると、令和6年9月の有効求人倍率は1.24倍であり、前月に比べて0.01ポイント上昇しました。また新規求人倍率は2. 22倍となり、前月に比べて0.1ポイント減少しました。
例年12月は、「賞与を貰ってから辞めたい」「新年度に合わせて転職したい」と考える求職者が転職活動を開始する時期です。求職者の中には、年末年始の長期休暇を利用して求人情報の収集を行うケースも少なくありません。
企業は、求職者が情報収集を行うタイミングを逃さないよう、求人情報を公開する時期を調整しましょう。
<企業の動き>
12月からの動き出しで採用競合よりも優位に
12月は繁忙期を迎えたり、年末業務に追われたりすることから、企業の採用活動は全体的に落ち着く傾向がみられます。掲載求人数も他の月と比較して減少する可能性があるため、この時期に求人情報を公開することで求職者の目に留まりやすくなることが期待できます。また、例年年始から年度末にかけては、企業の採用活動が活発化するため、年明け以降は採用競争が激しくなると予想されます。
現時点で採用に取り組む必要があるとわかっている企業は、12月中には求人情報の掲載を完了し、冬季賞与受給後に転職活動を開始する求職者や4月入社を見据えて12月から転職活動を開始する求職者に対してアプローチできる状態を整えておきましょう。
<求職者の動き>
12月は新たな求職者が転職市場に参入する時期
12月は、既に転職市場にいる求職者の動きはやや鈍化しますが、新たな求職者が転職市場に参入する時期でもあります。
株式会社マイナビが実施した「2023年冬ボーナスと転職に関する調査」によると、賞与が少ないことが転職の要因となったと回答した人は62.5%にも上りました。
引用:株式会社マイナビ「2023年冬ボーナスと転職に関する調査」
また、賞与に合わせて転職タイミングを調整したかを問う設問では、「賞与支給日を逆算して事前に転職活動を始めた(31.5%)」と「賞与額を見てから転職活動を始めた(18.9%)」を合わせ、約半数が賞与時期に合わせて転職のタイミングを調整していることがわかりました。
引用:株式会社マイナビ「2023年冬ボーナスと転職に関する調査」
本調査結果より、12月は、冬の賞与額によって転職を考え始めたり、転職に踏み切ったりする求職者が新たに市場に参入すると考えられます。また、一般的に転職活動にかかる期間は3ヶ月と言われていることから、この時期は4月入社を目指す求職者も動き出すことが予測されます。
このように、12月は転職市場に新しく参入する求職者がいることも理解しておきましょう。ただし、12月は事業の繁忙期を迎える企業も少なくありません。しかし、新しい求職者と接触機会を持てるチャンスが見込める12月においては、社内状況を鑑みながらも必要に応じて積極的に採用活動に取り組む姿勢が必要です。
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ウマい人事編集部
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