今の時代こそ重要な採用戦略とは？立案のポイントと手順を解説

採用活動を成功させるためには、「採用戦略」をしっかり立てる必要があります。戦略を立てて実行することで成果が出やすくなるうえ、もし上手くいかなくても次につながる財産を得られます。
少子高齢化や労働人口の減少、さらには昨今のコロナ禍もあり、企業の人材確保と採用活動が困難になっています。会社は「人」の力で成り立っている以上、採用活動は企業の経営とさらなる成長にとっては最重要事項といっても過言ではありません。

この記事では採用戦略の概要を紹介し、立案方法と立案時のポイントを解説します。コロナ禍で先行きの見えない今だからこそ、人事担当者はもちろん、企業全体で効果的な採用戦略について学んでいきましょう。

採用戦略とは？

採用戦略とは、企業が求める人材を確保するための戦略のことです。会社経営には人材が必要であり、優秀な人材であるほど企業の成長に貢献できます。
企業が継続的に成長し、さらに大きくなるためには、より企業の理想に近い人材を採用することが必要です。「ただ人員不足だから採用する」といったその場しのぎの採用活動では、企業成長という本質的な意味をなしません。
ここではまず、採用戦略に関する概要として注目される理由や主な分析方法、昨今のコロナ禍における採用戦略を解説します。

採用戦略が注目される理由とは？

採用戦略が注目されるようになった背景には、昨今の日本の現状が関係しています。少子高齢化により労働人口が減少し、求職者は安定を求める傾向にあります。その結果、大手企業への一極集中が目立ち、中小企業の人材確保が困難になりました。
そのため、今まで以上に中・長期的な目線で採用について考える必要が出てきたのです。

採用戦略における分析方法

自社の分析に活用できるのが「3C分析」と「SWOT分析」です。求職者を集めるためには、当然自社の魅力をアピールする必要があります。自社の強みや弱みを詳細に分析しなければ、効果的なアピールはできません。ここでは、3C分析とSWOT分析についてそれぞれ解説します。

3C分析

「3C」とは「Company＝自社」「Competitor＝競合」「Customer＝顧客（求職者・候補者）」のことです。これら3種の軸をもとにして、自社の現状を把握します。
求職者が何を求めていて、自社と競合ではどんな違いがあるのか、どこが差別化できる強みとなるのかを分析することで戦略の立案に役立ちます。

SWOT分析

「SWOT」は「Strength＝強み」「Weakness＝弱み」「Opportunity＝機会」「Threat＝脅威」の頭文字です。3C分析よりも自社にフォーカスした分析方法で、強みと弱みを徹底的に洗い出します。市場における機会を逃さないためにはどうするか、排除したい脅威とは何かを分析する方法です。

コロナ禍における採用戦略とは？

コロナ禍は世界中の働き方、労働者の価値観を大きく変化させました。それに伴い、採用活動の方法や戦略も変化しています。コロナ禍における採用戦略は、人柄や性格といった観点よりも、スキルにフォーカスした採用方法で即戦力を集めることが重視されるでしょう。

大人数が集まる合同説明会も少なくなり、採用面接もオンライン化が主流になりつつあります。求職者はもちろん、企業も順応するのに苦労したことでしょう。さらに企業が求める採用の基準としては、スキル重視で採用する必要性が増したという特徴もあります。ただでさえ昨今では定年まで長く勤めるという時代ではなくなり、いまや転職するのは当たり前です。優秀な人材はより条件のいい企業へ流れてしまうため、企業は競合との人材獲得レースに勝たなくてはなりません。競合に負けない強みを得るために、常に企業も成長を続けて最適化していく必要があります。

採用戦略の立案方法

採用戦略を実際に立てるための方法を紹介します。ここでは7つの手順に分けてそれぞれ解説しますので、ぜひ参考にしてください。

人員計画・チーム作り

人材確保は人事担当だけの問題ではなく、企業全体の問題です。将来の成長の為を思えば、最も重要な企業活動のひとつといえます。経営戦略や今後の展望とあわせて、人事担当・現場・経営層と、企業全体で取り組む意識を持ちましょう。