【インタビュー】人の本質や特徴を多面的に分析し数値化。可視化することを実現した検査ツール


企業にとって人材は、大変重要な経営資源です。企業の継続と発展のためには、より良い人材を採用することが欠かせません。
しかし、人を採用する際、面接だけではその人の本質や特性までは見抜くことが難しく、「採用しても思ったように仕事ができない」「すぐに離職してしまった」など、
思いもよらぬ事態に直面することがあります。採用する際の見極めでは、基礎学力や知識も大切ですが、より重要なのは会社や職務に対する適性ややる気など内面への考察です。

最近では、個人特性分析を通じた考課測定を導入する企業が増えています。個人特性分析は、職場における行動力や能力の特徴、
持ち味などを客観的に捉えるために活用される考課手法です。なかでも、簡単な設問を通じて個人特性分析を行うCUBIC適性検査が今注目されています。

今回、「CUBIC」代表取締役の中川将志さんに、CUBIC適性検査の特性やその効果にについてお話を伺いました。

株式会社CUBIC|代表取締役 中川将志

1986年に創業の株式会社エージーピーに営業責任者として関わり、2017年に株式会社CUBICとして引継ぎ、代表取締役に就任。もともと、適性検査に対して懐疑的であったが、実際に自身が体験し、つくる側の視点に触れて感銘を受けたという。

 

CUBIC適性検査とは?

 CUBICとは、簡単に説明すると応募者の心を可視化するツールです。面接などで相手の人物像や人となりがある程度はわかりますが、限られた時間の中ではやはり限界があります。評価する側にもヒューマンエラーが発生しますので、第一印象で良いなあとか、雰囲気が暗そうだからダメだなあとか思うことはありますが、その背景に実はとても良い側面を持っているかもしれません。第一印象や雰囲気だけでヒューマンエラーを起こさないよう、人としての特徴を可視化し、評価することを実現するのがこのシステム検査ツールなのだと思っています。基本的にはネット上で質問をするという形式で、90問程度の質問に対して10分くらいで答えていただきます。

 質問は心理学をベースにしたものです。例えば、ある場面に対して「あなたはどんな関わり方をしますか?」という聞き方をします。ほとんどは4択になっていて、その回答が積極的でも消極的でも、または肯定的でも否定的でも本人にとっては不利にならない設問としています。しかもスピーディに対応していただくので、答えは直感的なものになります。直感的だと本音が出やすいですし、回答がそのまま適性検査の結果として分析され、その人の特徴を数値によって可視化するわけです。

 

組織・企業にとって適性診断の必要性とは?

 やはり、目的意識を持って導入される企業が多いと思います。コロナ禍の現在、オンラインでの面接も増えてきたなか、この1~2年でお問い合わせも大幅に増えました。本音のところを聞きたいという要望も増えています。CUBIC適性検査では、数値によって被面接者の本質的な特徴を可視化できるので、企業ごとに必要な人材であるかどうかを判断し採用することができます。新入社員の採用テストというイメージが強いと思いますが、採用時に使ってその後育成時において、また配置転換で利用いただくなど、採用後も活用していただいています。

 職場における人材の特性を数値化できることで、行動変容の分析といったような新しい取り組みもできるようになります。ダイエットもそうですよね。体重計に乗らないと始まらないし、スポーツでもタイムを計測しているから記録も更新できるのだと思います。

【業種別割合】

 

【企業別割合】

【職務別割合】

運用例について教えてください

 企業によって使う場面はさまざまだと思いますが、我々が推奨しているのは採用の初期段階です。事前に適性検査を実施して、その分析結果をもとに面接を行うということが重要です。積極性を持つ人材が欲しいとか、自主性が高くないと私たちの会社では務まらないとか、採用において各社それぞれ重視するポイントが違います。

 事前に適性検査で重視するポイントを決めておくことで、その基準に基づいた面接を進められます。そうすることで、これまで何回もやっていた面接のプロセスを短縮できたり、決められた時間内で被面接者その人への理解が深まります。これまで対面で適性検査を実施していただき、その場で結果を出して面接をするというのが主流でしたが、この3~4年では、事前にオンラインで実施するのが主流となっています。その分、面接により多くの時間をかけることができるようになりました。

活用している企業からの反応は?

 大手企業と中小企業ではもちろん違います。大手企業の場合は、応募人数が多いので、効率よく必要な人材を絞ることができたという声をいただきます。中小企業では、少ない応募者の中でも的確な人材を採用できたとという声をいただきます。「面接では大人しくて少し迷ったけれど、適性検査の結果を見ると当社に相応しいタイプだとわかった。この人なら育てられそうだ」ということで採用したという企業もありました。

 大人しいことはパフォーマンスとはあまり関係なく、むしろその方が活躍してくれそうだという結果が出たそうです。最近は、採用選考で一緒に飲みに行ったり、仕事の場とは違うにところに応募者を連れて行ったりと、さまざまな状況で人物理解をしようとする試みがありますが、「それでもよく分からない」という結果が多いようです。それが適性検査によって「ここまで深く人の背景がわかるのか」ということをよくお聞きします。そして、これまで13,000社の企業で採用されています。

企業の人事担当者へのメッセージ

 各社それぞれ戦略立てて採用選考をしていると思うのですが、ポジティブな側面だけではなく、場合によってはネガティブな側面も必要かもしれません。人を見極める基準値を明確化したうえで、その人物の特徴や良いところを発見し、企業にとって必要な人材を採用することが重要です。その意味で、数値化しわかりやすく可視化するお手伝いをできればと思っています。多くの応募者が集中する大手企業の場合は、どうしても採用に対してネガティブな目線になってしまいますし、中小企業は少ない応募者のなかから、とにかく採用しようとする目線になってしまいがちです。

 雰囲気とかイメージなどの先入観で、採用選考基準や人の能力の有無を決めてしまわないようにしていただければと思います。それよりも、組織の中に入ってからの能力を見極めることが重要です。現在もより多面的に人を見極めることができるよう、我々自身も学んでいるところです。診断を通じて、皆さまと一緒に進化を共にしていくことができれば幸いです。

コラムを書いたライター紹介

ウマい人事編集部

プロフィールはこちら

人事担当者に役立つ情報を集めることが日々の日課。仕事のモチベーションは疲れた時に食べる人参です。

関連コラム

コメントはこちら

一覧へ戻る