2026年4月求人市場動向

ウマい人事編集長より、中途採用市場における企業側、求職者側の動き、それぞれの観点から最新の求人市況感をお届けいたします!
新入社員の受け入れなどにより、企業・求職者ともに活動が鈍化傾向に
厚生労働省が発表した『一般職業紹介状況(令和8年1月分)について』によると、令和8年1月の有効求人倍率は1.18倍であり、前月に比べて0.02ポイント低下しました。また、新規求人倍率は2.11倍であり、前月に比べて0.03ポイント低下しました。
引用:厚生労働省『一般職業紹介状況(令和8年1月分)について』
例年4月は、企業・求職者ともに活動が落ち着く傾向にあります。
多くの企業では、新卒社員の受け入れや研修、既存社員の異動に伴う引き継ぎ、年度末の決算対応などに追われ、採用担当者のリソースが分散しがちです。そのため、採用活動に充てる時間が限られ、求人掲載を一時的に控えたり、面接の実施ペースを落としたりする企業が増加します。
また、年度の切り替わりを機に転職活動を一旦終了させる求職者も多いため、表面的な応募数は他の月と比較して減少するでしょう。
しかし、深刻な人手不足が続く今、季節要因のみを理由に採用の手を止めることは、得策ではありません。競合他社が社内対応に追われて中途採用の手を緩めるこの時期こそ、優秀な即戦力人材にアプローチできる好機です。
翌年度も人材の採用を予定している企業は、次なる採用の波に向けて活動準備を進めておきましょう。
<企業の動き>
完全な活動停止は避け、次の一手を見据えた選考・準備を
4月は人事部門の業務負荷がピークに達するため、採用活動に十分な時間を割きづらくなります。しかし、他社が採用活動を控える分、自社の求人情報が埋もれにくく、求職者にアプローチしやすくなるというメリットもあります。
そのため、自社の状況に合わせて、以下のように動き方を切り替えることが重要です。
採用活動を継続する場合
4月も採用活動を継続する場合、競合が少ない時期だからこそ、面接の即時設定やスピーディな選考フローを実施することで、優秀な人材を獲得できる確率が高まります。
また、3月までの活況期に内定を得られなかったものの、依然として転職意欲が高い求職者へのフォローも欠かせません。選考スピードを速めたり、カジュアル面談を通じて丁寧な動機形成を行ったりすることで、ゴールデンウィーク明けの入社を見据えた母集団形成を優位に進めることができます。
採用活動を一時休止する場合
社内対応を優先する場合、この時期を「夏以降の採用活況期に向けた準備期間」と位置づけましょう。前年度の採用活動における歩留まりの分析、求人票やスカウト文面のブラッシュアップ、面接官のスキルトレーニングなど、採用基盤の強化に時間を投資することが次なる採用成功の鍵となります。
2026年は、人材への投資を重視する企業が増えており、「人的資本経営」の考え方も広がっています。こうした流れを背景に、賃金改定や評価制度の見直しを4月から実施する企業も少なくありません。自社の「待遇改善」や「柔軟な働き方」を具体的な数値や制度として求人票に反映させることで、感度の高い求職者の関心を引くことができるでしょう。
<求職者の動き>
求職者の転職動機と不安に寄り添うアプローチが鍵
4月以降の求職者は、転職の動機が「キャリアアップ・スキルアップ」といった前向きなものから、「現状の不満解消」へとシフトする傾向があります。異動による環境変化や新年度の評価に対する不満、あるいは入社したばかりの新卒・若手社員が抱く理想と現実のギャップなどが転職の動機となるケースが増加します。
このような現状の不満解消を目的に転職活動に取り組む求職者に対しては、単に給与や待遇などの条件面をアピールするだけでは不十分です。
「なぜ転職を考えたのか」「どのような環境であれば定着して働けるのか」といった求職者の本音や不安に対し、面接やカジュアル面談を通じて丁寧に耳を傾けることが大切です。その上で、自社がどのようにしてその課題を解決できるかを具体的に提示することがポイントです。
透明性の高い評価制度や心理的安全性の高い組織風土、柔軟な働き方など、求職者が抱える課題を解決できる自社の魅力を意識的に訴求することで、入社への動機付けを後押しできるでしょう。
まとめ
4月は市場全体の採用活動が落ち着く時期ですが、「競合が少ない中でのスピーディな選考」や「夏に向けた採用基盤の再構築」など、自社の状況に即した取り組みを意識することが大切です。
新年度の繁忙期を理由に採用活動を停滞させるのではなく、自社の状況に合った次なる一手を考え、推進する姿勢こそが年間を通じた採用成功の鍵となります。

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