2025年10月求人市場動向


ウマい人事編集長より、中途採用市場における企業側、求職者側の動き、それぞれの観点から最新の求人市況感をお届けいたします!

企業と求職者がじっくりと互いを見極めるフェーズに突入

厚生労働省が令和7年8月末に発表した『一般職業紹介状況(令和7年7月分)について』によると、令和7年7月の有効求人倍率は1.22倍であり、前月と同水準でした。また、新規求人倍率は2.17倍であり、前月に比べて0.01ポイント減少しています。

引用:厚生労働省『一般職業紹介状況(令和7年7月分)について』

10月は、9月までのようなスピード感が求められる採用活動から一転し、企業と応募者が互いをじっくりと見極める段階に入ります。そのため、いかに自社の魅力を正しく伝え、質の高いマッチングを実現できるかがポイントとなるでしょう。
また、上半期の活動を振り返り、下半期から年度末にかけての戦略を再構築する絶好の機会でもあります。特に上半期の採用活動で思うような成果を残せなかった企業は、課題を洗い出し、採用計画や採用戦略を見直しておきましょう。

<企業の動き>

10月は、来春に向けて新たな母集団形成のための基盤を作る時期

企業の採用活動が落ち着く10月は、来春に向けた採用計画の策定やこれまでの採用活動の振り返りに時間を充てるのに適した時期です。

新たな母集団形成に向けて、次のような取り組みを進めましょう。

  • 上半期の採用活動分析
  • 採用要件の再定義
  • 転職潜在層へのアプローチ
  • 求人情報の修正・ブラッシュアップ

まずは、上半期の採用活動実績や各求人媒体の効果などを振り返り、課題やブラッシュアップすべき点を洗い出しましょう。
次に、洗い出した課題の改善に向けて、採用戦略の再構築や見直しを実施します。
同時に、下半期の事業戦略に不可欠な人材要件の再定義も進めましょう。再定義する要件や採用ターゲットに応じて、採用計画を修正しておくことも忘れてはなりません。

転職市場が落ち着く10月の間に、どれだけ戦略的な準備を進められるかが、次なる採用シーズンの成否を左右する分かれ目となります。
求人情報を修正・ブラッシュアップしておくことはもちろん、新たな母集団形成に向けて、10月のうちからスカウトメールの配信やカジュアル面談の実施などに取り組み、転職潜在層とも中長期的な関係を構築しておきましょう。

<求職者の動き>

自身のキャリアと向き合い、企業を慎重に見極めようとする傾向が強まる

9月までに転職先を決めなかった求職者は、焦らずに自分のペースで活動を再開する傾向がみられます。また、下半期の人事評価や組織体制の変更を受けて、新たに転職を考え始める層も動き出します。
10月に活動する求職者は、急いで転職先を決めるというよりも自身のキャリアプランとじっくり向き合う傾向が強く、転職活動でも「本当に自分に合う会社」を吟味する様子がみられます。特に、現場社員とのカジュアルな面談など、現場の声を直接聞ける機会を重視し、企業文化や働く人との相性を慎重に見極めようとするでしょう。

企業は、このような求職者の動向を読み取りながら一人ひとりに合った丁寧な応対を心がけることが大切です。

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