はじめての経験者採用で重視すべきポイント |コロナ禍で注目される採用手法についても解説
経験者採用は、採用や育成にかかるコストを削減でき、即戦力を獲得できる手法として取り入れられています。コロナ禍で働き方の変化が注目される中で、人材確保に頭を悩ませている企業も多いのではないでしょうか。
経験者採用という手法そのものは取り入れていても、主なメリット・デメリットや重視したい観点を把握しきれないまま実施している企業もあるかもしれません。今回は、経験者採用の特徴について改めて知るきっかけになるポイントを解説しつつ、コロナ禍で注目される採用手法も紹介します。
経験者採用とは
経験者採用は、社会人としてすでに何らかの経験を積んでいる人材を確保する採用手法を指します。新卒採用と並んで一般的な採用手法として取り入れられてきました。
さらに昨今のコロナ禍による人材不足を受け、より経験者採用に力を入れている企業も増えています。経営を安定させるために必要な「人材」を確保するための手段として経験者採用に注目し、新たな取り組みを取り入れている企業も少なくありません。
新卒採用との違い
経験者採用の比較対象として挙げられる新卒採用とは、主に以下の違いがあります。
- 基準
- 対象
- 時期
- 給与
それぞれの項目に関する違いを表にまとめているので、参考にしてください。
また、新卒採用は社会人経験がない状態で採用するため、企業ビジョンなどを浸透させやすい傾向にあります。一方経験者採用は社会人としての自己が確立している場合も多く、企業に新しい考え方や動きを取り入れるうえでの「刺激」になるでしょう。
経験者採用を実施するメリット
ここでは、経験者採用を取り入れ、実施する主なメリットを紹介します。新たな人材を確保するうえでの基準として、ぜひ参考にしてください。
即戦力人材の入社が期待できる
すでに社会人経験を積んでいる方を採用するため、即戦力を採用できます。企業が求めるスキルや特性を保有した人材に絞って、採用活動を進められるのも経験者採用のメリットです。即戦力として期待することをあらかじめ掲示したうえで募集するため、求職者とのミスマッチも防止しやすいでしょう。
育成にかかるコストを削減できる
即戦力を採用できることで、戦力となるまでの育成期間や費用を削減できます。新卒採用の場合、基本的なビジネスマナーから教える必要があるでしょう。対して経験者採用であれば、ある程度のビジネスマナーを会得したうえでの採用となるため、すぐに戦力として換算できます。また、自社の業務に関連するスキルをある程度保有している人材を採用すれば、基本を教える工程などもスキップして効率的に育成できるでしょう。
企業の成長が見込める
経験者採用は、企業にとって不足している部分を補うための採用手法です。自社の事業に関連するスキルを保有した人材を確保できれば、より明確かつ確実に企業の成長が見込まれるでしょう。また、自社にないノウハウを取り入れるきっかけにもなるため、市場の変化に合わせた事業展開が可能になるのもメリットです。
経験者採用で懸念されるデメリット
一方で、いくつかデメリットが懸念されるのも経験者採用の特徴です。メリットも含めて把握することで、企業・求職者双方にとってよい活動を進められるでしょう。
転職リスクが高い
経験者採用で入社する人材は、転職した経験を持っている方がほとんどです。そのため、ミスマッチがあると感じた段階で次の企業に移るスタンスの方も少なくありません。企業が望むスキルやビジョンをもっていても、求職者本人の理想にそぐわない場合は転職リスクが高いといえるでしょう。転職リスクを軽減するために、選考の段階で双方のビジョンなどをすり合わせておくことが大切です。
働き方における柔軟性のない人材が多い
経験者採用の対象となる社会人経験のある人材は、すでに「自身の働き方」が確立している方が多い傾向にあります。そのため、企業の求める働き方に対応しきれず、自身の考えが反映されないという理由で早期退職につながる場合もあるでしょう。経験者採用を取り入れる際は、一人ひとりの働き方に対する考え方などを事前にヒアリングしたうえで、双方が納得できる体制を構築することが大切です。
若年層が育ちにくくなる
社会人経験がある人材を確保することで、新卒採用者や若手が育ちにくくなってしまいます。即戦力が入社することも多いため、若年層が入り込む余地がなくなる可能性は否定できません。結果的に経験者のみが残り、企業の今後を担う若手が極端に少なくなってしまう場合があります。
経験者採用で重視すべき観点
企業が経験者採用を取り入れるうえでは、採用基準と面接時のポイント・重要性を把握し、準備しておくことが大切です。
採用基準を用意するうえでのポイント
経験者採用を取り入れるうえでは、自社がどのような人材を求めているのか考えることが大切です。過去の経験重視なのか、人柄を重視して採用するのか、採用時期や不足している人材の傾向によって異なるでしょう。
また、今後の成長や自社への定着といった観点で、ある程度の年齢制限を設ける場合もあります。自社で発揮してほしい経験などを重視することもあるため、採用基準には明確な正解はありません。
大切なことは、なぜ経験者採用を実施し、どのような人材を確保したいかを明確にすることです。採用基準をしっかり整えることで、求職者とのミスマッチも防止しやすくなるでしょう。
面接時にチェックするポイント
面接時は、以下のポイントを参考に適性のある人材かどうかを判断してください。
- コミュニケーション能力
- 協調性
- 誠実性
- 主体性
- 挑戦する気持ち
- 意欲
- 志望動機
- 経歴・経験
- 資格
- 過去の実績
- 働き方の要望
- 将来の展望
コロナ禍で注目されているダイレクトリクルーティングとは
経験者採用の概念を取り入れつつ、コロナ禍の需要にも対応した採用手法として「ダイレクトリクルーティング」が注目されています。ダイレクトリクルーティングとは、求職者の応募を「待つ」のではなく、企業から積極的にアプローチして人材を確保しにいく手法のことです。
即戦力を求め、企業が自ら人材を確保するといった観点で、能動的な経験者採用ともいえるでしょう。ここでは、ダイレクトリクルーティングについていくつかの観点で解説します。コロナ禍で懸念される人材不足を解消すべく、経験者採用の特性も含めてダイレクトリクルーティングについての理解を深めましょう。
ダイレクトリクルーティングに適した企業の特徴
自社の事業に特化したスキルを保有した人材を、より確実に確保したい企業はダイレクトリクルーティングを取り入れるべきです。従来の採用手法では、企業と求職者で少なからずミスマッチが発生してしまいます。企業が求める特性にマッチした人材に絞ってアプローチすることで、経験者採用で懸念されるデメリットを解消できるのがダイレクトリクルーティングの特徴です。
ダイレクトリクルーティングのメリット・デメリット
ダイレクトリクルーティングのメリットとデメリットは、以下の通りです。経験者採用のメリット・デメリットと擦り合わせつつ効果的に取り入れてください。
ダイレクトリクルーティングを取り入れるうえでのポイント
ダイレクトリクルーティングを取り入れる際は、長期で実施する施策であることを認識しておきましょう。自社が求める人材を探すところから始まるため、受け身の採用手法よりも時間がかかってしまいます。
また、ただ適性があるからという理由だけでアプローチするのではなく、自社の事業やビジョンに感銘を持ってくれるかどうかも大切です。まずはアプローチし、その後「自社に対する思い」を聞き出すことで双方が納得できる採用活動を実現できるでしょう。
まとめ
即戦力の確保や育成コストの削減といった観点から、経験者採用を取り入れる企業は非常に多くあります。新卒との違いも押さえつつ、効果的に経験者採用を実施してください。
ただし、転職リスクや柔軟性の欠如といったデメリットが発生しやすいのも、中途採用の特徴です。デメリットも理解することでミスマッチをなくし、企業と求職者双方が納得できる採用活動を進められるでしょう。
また、コロナ禍で注目を集めるようになったダイレクトリクルーティングを取り入れることで、経験者採用の幅が広がります。今回紹介した内容を参考に、経験者採用への認識を改めてみてはいかがでしょうか。
参考サイト
https://toroo.jp/column/7670
https://www.neo-career.co.jp/humanresource/knowhow/b-contents-middlecareer-shinsotuchutohikaku-190226/
https://news.mynavi.jp/article/20220218-2274160/
https://doda.jp/guide/saiyo/008.html
https://kyujincatalog.com/kyujin_editor/11985
https://saponet.mynavi.jp/column/detail/20220222114216.html
https://bizreach.biz/direct-recruiting/
コラムを書いたライター紹介
木村竜太朗
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