【連載】採用活動をはじめる前に実施すべき取り組みとは?


「人事課に配属されたけど何に注意して採用活動を行えばいいのかわからない」「兼務で企業の採用活動プロジェクトを任されたけれど、何から始めたらいいのかわからない」というお悩みを抱える採用担当者の方も多いのではないでしょうか。今回はそんな方に向けて、採用活動をはじめる前に必ず押さえておきたいノウハウをお伝えします。有益な情報をわかりやすく解説していますので、採用活動を行う前にぜひ本記事を参考としてお役立てください。

 

人材の要件定義とは

よく人材業界の経験が浅い新入社員に「人材募集の目的は?」と質問を投げると「人を増やすため」という答えが返ってくることがあります。それは手段であって目的ではありません。採用活動の目的は、企業が抱える課題を新たな人材によって解決することです。人が足りないからと漫然とした状態で採用活動をはじめると、「いい人材と思ったのに力を発揮できていない?」といった事態になりかねません。

そのため、人事担当者と担当部署とが連携を密に行い、人材を募集する部署の事業詳細や役割を明確化したうえで、求職者に求める成果やスキルを定義付けする人材の要件定義を行う必要があります。

要件定義を行うことで、人材のセグメントがしやすくなり、母集団の質は向上します。そして、そのなかで採用された人材は活躍の可能性が高く、定着が見込めます。また、採用活動が長期化したり、繰り返し行ったりしなくても済むため、採用コストの削減にもつながるといった点もポイントでしょう。

採用手法の種類について

人材の要件定義を行ったのち、実際の採用活動のフェーズに移ります。採用活動と一口に言っても広い意味がありますが、ここではサービスなどの採用手法について解説します。

まず、利用料金が不要な採用手法として代表的なものが自社ホームページやハローワークです。特にホームページは制作費に加え維持や更新に費用はかかるものの、自社資源として残り、アップデートしていけるため長期的に有益な手法です。

しかし、自社ホームページやハローワークは検索性や露出性が低く、求職者に求人を見つけてもらいづらいというデメリットがあります。そのため、単体運用で母集団を形成するのは困難なケースがあります。

そこで、採用活動に取り組む企業の多くは、有料の求人媒体や人材紹介(転職エージェント)などのサービスを併用しています。知名度の高い求人媒体であればユーザー(求職者)に自社求人を知ってもらう機会は増えますし、人材紹介であればマッチング率が高められるため、いずれも母集団形成をサポートしてくれます。

採用後にポジションを決める方法も

現在の採用活動は多様化しており、採用活動をするなかでその人に合ったポジションを用意するパターンもあります。

これは適性検査や面接で求職者のスキルや適性をチェックしたうえで、配置部署や担当業務を決めるという採用手法です。本人からすれば能力を最大限に発揮できる仕事に就け、企業側はミスマッチングが少ないうえ、フレキシブルな採用ができるというメリットがあります。

ここからは、実際の当社の採用事例について一例をご紹介します。

事例1:採用者のポテンシャルを活かした事業部設立

先述のフレキシブルな採用の1つのパターンでもありますが、当社では採用後に、その人材に適した事業部を用意するといった柔軟な採用活動を行っています。

実際に、学園祭などイベントのリアルプロモーション経験のある人材に対し、本人の能力を最大限活用するために新たなプロモーション関連の事業部を立ち上げたことがあります。それまでは企業様からのイベント案件は外注委託していましたが、内製化したことでさらにプロモーション研究が進み、イベント案件の拡充につながっています。

事例2:アルムナイ採用や配置転換で成果を出す社員

当社は一度退社した社員を再度雇用するアルムナイ採用にも積極的です。アルムナイ採用は、すでに就業経験があるためエンゲージメントが高く、即戦力として活躍してくれるうえ、育成コストも削減できるといった多くのメリットがあります。

たとえ再雇用時に前部署・業務の枠が埋まっていたとしても、自社で働いていたというアドバンテージは大きく、他部署でもマッチする可能性が十分にあります。

実際に、退職以前は営業職の社員が営業事務で活躍している事例もありますし、内勤職から営業職に配置転換して成果を上げているパターンもあります。

まとめ

ここまで、自社事例も交えて採用活動をはじめる前の準備の重要性について解説しました。闇雲に採用活動をスタートするのは、企業・求職者の双方にとって大きなリスクがあります。まずは「どんな仕事をしてもらうか」「どんな役割を任せるのか」など、自社で活躍してもらうためにはどのような人材が必要なのかを整理することが大切です。

そして準備が整ってはじめて、採用手法を決定するフェーズに入ります。これらを踏まえて、どんな採用手法やサービスが最適かをしっかりと見極めましょう。ぜひ本記事を参考に、今後の採用活動を実践してみてはいかがでしょうか。

コラムを書いたライター紹介

ウマい人事編集部

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人事担当者に役立つ情報を集めることが日々の日課。仕事のモチベーションは疲れた時に食べる人参です。

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