【人事向け】盛り上がる座談会のテーマと工夫、成功させるポイントも解説
新卒採用の座談会は、採用活動において学生の興味を引きつける有効な施策の1つです。
しかし「いまいち盛り上がりに欠ける」「いつも同じテーマで代わりばえしない」と悩む人事ご担当者様も少なくないかと思います。
そこで今回は、盛り上がる座談会のテーマと工夫を解説するとともに、座談会を成功させるポイントもお伝えします。
座談会とは?
座談会とは、学生と自社の社員が交流する場を設け、学生に対し社員から直接企業の魅力や仕事内容について伝えるイベントのことを指します。面接や人事担当者との面談とは異なり、フランクな雰囲気で学生と交流を図れる点が特徴です。学生にとっては、企業の雰囲気や社風を知れる、仕事内容の理解を深められる、などの利点があります。
また、企業としても、社員と学生が直接コミュニケーションを取ることで、自社のことを学生に正しく理解してもらえるようになります。さらに、座談会を通じて、学生の興味や関心を引くことができれば、応募意欲の醸成や辞退率の低減などにもつながるでしょう。
座談会の形式
一口に座談会といっても、下記の通り様々な開催形式があります。
テーマや開催時期、参加者に応じて形式を使い分けることも、座談会を盛り上げるポイントとなるでしょう。
【開催時期別】盛り上がる座談会テーマ
ここでは、座談会を開催する時期別に、盛り上がる座談会テーマを紹介します。
インターンシップ期
インターンシップ期に企業が座談会を開催する一番の目的は、母集団形成のためです。この時期は、座談会を通じて学生に興味を持ってもらい、エントリーにつなげることはもちろん、業界特有のイメージからくる間違った認識や事業や職種特有のネガティブなイメージを払しょくしておきたい期間とも言えます。
学生としてもエントリーする企業を選ぶ・探す時期となるため、企業の社風・風土、業界の裏側などを深く知りたいと考えています。そのため、この時期に開催する座談会は、学生にとって企業選択のポイントや参考になるテーマが好ましいと言えるでしょう。
株式会社マイナビが実施した『マイナビ 2024年卒大学生就職意識調査』によると、「企業を選択する場合にどのような企業がよいか」を問う設問では、「安定している会社(48.8%)」「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社(30.5%)」「給料の良い会社(21.4%)」が上位に位置しています。
引用:株式会社マイナビ『マイナビ 2024年卒大学生就職意識調査』
また、同調査内の「行きたくない会社」を問う設問では、「ノルマのきつそうな会社(38.2%)」「転勤の多い会社(29.6%)」「暗い雰囲気の会社(24.1%)」が上位に並びました。
引用:株式会社マイナビ『マイナビ 2024年卒大学生就職意識調査』
座談会では、本調査データから伺える学生の動向を汲み、自社の魅力をアピールするのも有効です。また、企業選びのポイントを知りたいと考える学生が多いことから、次のようなテーマを掲げると、学生も関心を持ちやすく、開催中も盛り上がりを見せると期待できるでしょう。
【インターンシップ期:盛り上がる座談会テーマ例】
- 新卒入社社員が語るエントリー先企業を選ぶポイント
- 【○○専攻限定】○○専攻出身の先輩に聞くキャリアの選択肢
- 【自己分析&人事担当者からのフィードバック付き】先輩社員&技術系社員登壇 座談会
選考期(目的:選考辞退防止)
企業が選考期に座談会を開催する目的は、学生の選考辞退を防止するためです。
学生もインターンシップ期よりも深く企業や入社後の実情を知りたいと考えていると推察できます。また、「選考時にどのような点を評価されているのか」「どのような質問を受けるのか」など、選考にまつわる疑問を持つ学生も多くなるでしょう。
そのため、この時期の座談会は、自社への興味・関心を喚起するより、学生が抱く疑問や不安を払しょくするという役割を果たすテーマを定めることがポイントです。
【選考期:盛り上がる座談会テーマ例】
- 若手登壇 一問一答で企業のリアルをお答えします!
- 先輩社員に聞く 選考期の過ごし方と効果があった面接対策
- 中堅社員登壇 選考ではココが見られる!選考期に知っておきたいポイントをレクチャー
上記のように入社後の実態や選考時の様子を知れるテーマを掲げることで、学生も積極的に参加する可能性が高まるでしょう。
最終選考後~入社(目的:内定承諾・内定承諾辞退防止)
最終選考終了後から入社にかけては、座談会を通じて内定承諾の確度を高めるとともに、内定承諾後の辞退防止に努めましょう。
一方学生は、予定配属先の部署の雰囲気や社員の様子、他の内定者などが気になり始める時期です。企業は、このような学生の心情を汲み、内定者同士が交流できる座談会や予定配属先の現場社員と交流を図れる座談会を実施すると良いでしょう。
【最終選考後~入社:盛り上がる座談会テーマ例】
- 職場見学
- 内定者懇親会
- 内定者と前年度入社社員との交流会
座談会を盛り上げるための工夫
座談会を盛り上げるためには、時期や開催目的に合ったテーマを設定する他、盛り上がる工夫を盛り込むこともポイントです。
ここでは、座談会を盛り上げるために取り入れたい工夫を紹介します。
学生からよくある質問をクイズ形式で回答する
座談会で受ける質問の多くは、似通った内容になっているケースも少なくありません。せっかくであれば、座談会では学生からよくある質問をクイズ形式で回答するのも1つの方法です。
このコンテンツの実施により、学生は疑問や不安が払しょくされるでしょう。また、回答率が高かった学生に対する特典を用意しておく、正答者にはポイントを付与してチームで獲得ポイントを競わせるなど、開催方法を工夫することで一層盛り上がる座談会になるでしょう。
答えの発表を先輩社員に任せることで、職場のリアルを伝えられる効果も期待できます。
メンターやリクルーターにも参加してもらう
座談会には、学生に付いているメンターやリクルーターに参加してもらうのも良いでしょう。学生も知った顔があると、コミュニケーションを取りやすくなるため、結果的に座談会が盛り上がることもあります。
社員のドキュメンタリー動画を放映する
社員や会社のドキュメンタリー動画を制作し、座談会で放映することで、求人情報や会社説明会では伝わり切らなかった自社の魅力を伝えられることもあります。座談会というカジュアルな場を活かし、パロディ仕立てにしたり、社内のリアルな日常を映したりするのもおすすめです。
企業の意外な一面を見られることにより、親近感が湧く、入社意欲が醸成されるなどの効果も期待できるでしょう。
自社のサービスや製品の体験会を実施する
自社のサービスや製品を体験できる機会を設けるのもおすすめです。多くの学生は、企業研究などで、どのようなサービス・製品を取り扱っているのかまでは理解しているでしょう。しかし、実際に利用・購入したことのあるケースは少ないかもしれません。
自社のサービスや製品を体験してもらう時には、ぜひ営業社員や製品開発社員にも登壇してもらいましょう。営業社員から自社商品を説明したり、開発社員から開発時のエピソードを伝えたりすることで、学生は自社サービス・製品の魅力や強みを一層理解できるようになります。また、営業社員や開発社員から直接リアルな話を聞くことで、学生は職種について理解を深められたり、入社後のイメージを描きやすくなったりもするでしょう。
座談会を成功させる3つのポイント
ここでは、座談会を成功させる3つのポイントを紹介します。
1.座談会のテーマを設定しておく
テーマを掲げずに座談会を開催してしまうと、学生はどのようなことを話したら良いのか分からず、消極的になってしまいます。会話やコミュニケーションが活性化せず、盛り上がりに欠ける座談会に終わってしまうかもしれません。
また、企業としても、どのように舵を切りながら座談会を進めるべきか、目的やゴールが不明瞭になってしまう恐れもあります。
座談会を開催する時は、必ずテーマを設定しておきましょう。
2.テーマに合った社員を起用する
座談会に登壇する社員は、テーマに沿った人材が適任です。
テーマに合わない人材は、学生の質問に適切に回答できない可能性があります。場合によっては、学生の好感度を下げてしまうこともあるでしょう。
座談会を開催する時は、まずテーマを決めた上で、部署や職種、年次などを加味しながら適任と思われる社員を選定しましょう。
3.学生をフォローする社員も配置しておく
学生をフォローする社員を配置しておくと、座談会を盛り上げやすくなります。なぜなら、1人だけ蚊帳の外になってしまっていたり、発言に消極的な学生がいたりした場合、場が盛り下がってしまうこともあるからです。
無理に座談会の輪の中に入れたり、発言を促したりする必要はありませんが、少し多めに社員を配置しておくと話し相手がいない学生のフォローに入れるようになり、全員がイベントに参加している一体感を生み出せます。
参加者が多くなる座談会は、孤立する学生を作らないよう工夫しましょう。
まとめ
座談会は、会社説明会や選考では伝えにくい会社のリアルを学生に伝えられる場です。座談会の印象は企業の印象にも直結する場合もあり、開催するからには学生に満足感を与えられるような工夫とテーマ決めが肝要です。
ぜひ本記事を参考に、自社の座談会を盛り上がるイベントにブラッシュアップしてみてください。
コラムを書いたライター紹介
日向妃香
得意分野は新卒採用とダイレクトリクルーティング。
コメントはこちら