【座談会】求人広告今昔物語~三世代別の求人事情を語る~

学校卒業後に就職先を探す際はもちろん、学生時代のアルバイトや、転職するときなど
様々な人生の岐路で出会う求人広告。今回は「求人広告のいまむかし座談会」と題し、求人広告の営業担当者がそれぞれの世代の視点で、求人広告の移り変わりや、求人を探す立場だった自身の体験を交えて話し合いました。求人広告を出す際のヒントがつまっていますよ!
今回座談会に参加いただいたのは・・・
◆松崎 茂(45歳/中途2002年 入社20年目)
投資系営業マンから広告業界に転職。求人領域は営業を約7年経験。現在は役員として従事。
◆髙原大輝(32歳/新卒2017年 入社5年目)
異業種から中途で入社しすぐに求人広告の営業担当に。営業をバリバリしながらリーダーとしてチームをまとめる。
◆今井遥さん(23歳/新卒2021年 入社2年目)
新2年目の新人営業。求人広告の営業をしながら日々勉強中。
では、座談会スタ~ト!
―「ウマい人事スタッフ」編集部
松﨑さんが求人広告の営業を始められたころは
どんな媒体を営業されていたのですか?
<松崎>
私が求人広告の営業を始めた2000年頃は、まだインターネットが出始めで徐々に世の中に浸透しつつあった時代だったので、まだまだ紙媒体も強い時代でしたよ。
正社員だと「B-ing」、「デューダ」、アルバイトだと「フロムエー」、「an」、地元のパート・アルバイト募集なら新聞折込誌系ですかね。女性向けの「とらばーゆ」という求人誌はCMの影響で流行語大賞にもなっていました。求職者は、これらの求人雑誌を200円~300円くらいで購入して必死に情報を探していたのを覚えています。インターネットでは「毎日キャリアナビ」「U2B」「エン転職」「リクナビNEXT」等が主流でした。当時はサイトパワーと同様に、Yahoo!の求人カテゴリに掲載できるかも選ばれる理由の一つでしたね。
<髙原>
たしかに昔は求人雑誌は有料でしたね!松崎さんの世代くらいが紙のピークで、
そこからどんどん雑誌のページが減っていったという感じなんでしょうね。
<松崎>
そうですね。時代はインターネットの大きな流れにどんどん加速し、毎週、雑誌の発行される本の薄さに「紙媒体が無くなるのでは!?」と心配していましたが、本当に有料求人誌は無くなりました。が、フリーペーパーという新たな紙メディアが彗星のごとく現れ、「DOMO」や「タウンワーク」等が一気に求人広告業界でも売上を伸ばし、その勢いは求人だけでなく「ホットペッパー」や「R25」など情報を収集する手段としてフリーペーパーが注目されていました。雑誌は買うモノ。それが無料で手に入る感覚がウケたけたんでしょうね。シェアを拡大していったのを強烈に記憶しています。それでも最後はインターネット一強になりましたね。
更に昔の話ですが、私が就職活動する時は、インターネットがそこまで普及していませんでしたので就職情報誌かダイレクトメール(郵送物)と並行して情報を収集していました。企業のリアル情報はHPもない企業が多かったので、情報誌の中に入っていた「ハガキ」に個人情報を書いてはエントリーして資料請求していましたよ。
<今井>
はがきでエントリーですか!じゃあ、やりとりに時間がかかるし、
求職者も採用担当者も大変ですね。就職により重みが増す感じがします。
<松崎>
昔は情報を必死に自分でお金を払い、取りにいかないといけなかったけど、今は登録さえすれば情報をいつでもどこでも無料で取れる便利な時代になり、求職者側も簡単にエントリーや応募ができる一方、キャンセルも容易にしてくる様になって来たのもこの頃だと感じます。
―「ウマい人事スタッフ」編集部
いま求人広告も含め、ダイレクトリクルーティングや人材紹介は会員登録さえすればOKという「待ちの姿勢」が広がってきているのはそういった側面があるからでしょうね。髙原さんはどのように求人を探していましたか?
<髙原>
僕の学生時代は新聞の折り込みチラシでアルバイトを探していましたね。
そんなにたくさん求人がある地域ではないので、折り込みチラシが地域の情報としてとても便利でした。
今は新聞をとっている人が減っているので折り込みチラシも激減していますよね。
<今井>
私はアルバイトをスマートフォンの無料アプリで探していました。
就職活動では企業のホームページはもちろん、人事の方が投稿しているインスタグラムやTwitterも見ていました。
ダイレクトメールで人事の担当者と直接メッセージのやり取りができるし、
インスタグラムでコメントもできて、簡単に繋がりを作ることができると思います。
<松崎>
今は求人情報だけではなく企業の色々な取り組み等はSNSなどで知ることができるから、
行かなくてもその企業のイメージがしやすいですよね。
<今井>
そうですね。
私の世代はあらゆる情報を得るのにSNSを活用している人がほとんどではないでしょうか。
―「ウマい人事スタッフ」編集部
では今後、求人広告ははどのような流れになっていくと想像しますか?
<松崎>
インターネットの普及で2000年からの10年、ガラリと変わりましたよね。
求人広告は検索エンジンやダイレクトリクルーティング、cookie情報の活用など、
検索の精度あがって進化を感じています。
<髙原>
リクナビNEXTも上位表示=高額ではなくなっていて、
22年1月~マッチング順レコメンド機能ももっと明確に進化していきそうですよね。
<今井>
企業がどんな社会貢献しているか、SDGs取り組みなどについての質問が
求職者から飛び交うと聞いています。
企業も事業以外の取り組みや働きやすい環境を整えるなど、意識の向上が必須で、
さらにそれを発信していくことが必要だと感じています。
最後に
多くの情報を簡単に収集ができるこの時代。それぞれの企業が自社の魅力をしっかりと把握し、特徴や他社との違いを明確にした上で、欲しい人材の獲得を目指す必要がこれまで以上にありそうだ。媒体のカタチは時代とともに変化し、求職者のスタンスも時代によって、世代によって変化している。採用活動は求職者を惹きつける「情報戦」といっても過言ではない。容易に手に入る情報だからこそ、その企業の特色や社風、ビジョンや将来性をしっかりイメージできるものが望ましい。「面白そうな会社だな」「入社してみたいな」と思わせられる様な御社の魅力は整理できているかは非常に重要だ。でもこれは今も昔も同じ課題と言える。情報の発信の「仕方」も大事だが、発信する情報の「中身」も同様に大切だ。この機会に今一度、客観的に御社の魅力を整理してみてはどうだろうか。
コラムを書いたライター紹介

ウマい人事編集部
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